沖縄のホテル空室に養護施設の子どもを招待 エフネスが客室を事前買い上げ


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エフネスが2年間、20室を買い上げたロワジールホテル&スパタワー那覇

 ホテルの客室を旅行業者に卸すなど、観光業界のBtoB事業を展開するエフネス(東京)の岡田直樹社長は28日、県庁で記者会見し、県内2ホテルの客室を返却なしで買い取る「ノーリターン仕入れ」を実施すると発表した。同時に、客室の在庫を活用し、県内児童養護施設の子どもや、ひとり親世帯の家族を無料招待する取り組みも始める。

 同社はロワジールホテル&スパタワー那覇の20室、ホテルマハイナウェルネスリゾートオキナワの10室を2年間、事前に買い上げる。販売できなかった客室はホテル側に返却されるのが一般的だが、同社は返却しない契約を結んだ。

 児童養護施設の子どもは希望者全員を受け入れられる見込み。招待した子どもを対象に、日本トランスオーシャン航空などが航空教室を開き、観光産業の魅力も伝える。ひとり親世帯の無料招待は県母子寡婦福祉連合会を通じて行い、毎月2組が1泊できる。

 岡田社長は「送り手(荘客事業者)、受け手(ホテル)、地域で暮らす人々の『三方良し』にならないと観光産業は復活しない」と述べ、意義を強調した。