方言でイヌバーと呼ばれる魚はフエダイの仲間で、小型の時、背ビレが糸状に伸びる。和名はイトヒキフエダイで、沖釣りで人気の対象魚。石垣島在住の対馬玄人さんと島の“タマン釣師”の100人が参加して石垣島で行われた「御用屋ダービー」に参加した。
対馬さんは最終日の10月31日に合わせ30日の正午から翌日の夕方6時までの30時間に勝負を賭けた。アタリもないまま27時間経過した昼3時、いきなり竿(さお)が海面に向かって突き刺さり、ドラグを7キロにセットしたリールからものすごい勢いでラインが引き出された。
最初の走りが30秒ほど続き止まると、今度は下に向かって走った。その引きの強さからロウニンアジかサメかと思いながら、必死にリールを巻いては、ラインを引き出されたりしながら4分ほどで足元まで寄せることができた。
1人では無理と思ったので、離れた所で釣りをしていた知り合いの釣り人を大声で呼んだ。足元まで寄せた魚は水面近くまで浮かすと、また底に潜ったりして抵抗したが、ヒットしてから7分ほどで堤防に引き上げたのは見たことのない赤い魚。11.92キロあり、早速LINEでメンバーに写真を送ると、イヌバーと呼ばれる魚で主に船から狙う魚だが、めったに釣ることのできない貴重な魚と連絡が入った。日本記録を調べたら1.4キロなので、日本記録を申請中だ。
(おきなわ釣り王国社・仲栄真修)