県高校駅伝 北山が男女ともに優勝 男子31年ぶり大会新 女子は部員だけで達成


社会
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 沖縄県高校総合体育大会の駅伝(男子第69回・女子第39回)は5日、今帰仁村総合運動公園付帯公認マラソンコース(男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロ)で行われ、北山が男女同時優勝を成し遂げた。男子は2時間09分31秒で、31年ぶりに大会記録を更新。3連覇で13度目の頂点となった。女子は1時間20分01秒で、6年ぶり5度目の優勝。優勝校は男子第72回、女子第33回全国高校大会(12月26日、京都府)に出場する。


圧巻ラン 31年ぶり大会新 男子・北山
 

1区を30分51秒の区間新記録で走り抜けた北山の嘉数純平=5日、今帰仁村内(ジャン松元撮影)

 他の追随を許さなかった。男子の北山は1区の嘉数純平がスタートすぐに独走状態に。区間新でたすきをつなぐ圧巻の走りで30年間破られなかった大会記録を5分弱も縮めた。唯一届かなかった2区の赤嶺達也も区間新までわずか1秒差の力走だった。宮里洸主将は「絶対抜かれない記録をつくって都大路に行きたかった」と手応え十分のレースとなった。

 エース上原琉翔の体調不良のため、3区から最長10キロの1区を走ることになった嘉数。今年3月の九州選抜大会で3位に入った時も1区を任され結果を残していた。心の準備はできていた。大城昭子監督からの信頼も厚く、起用に応えて区間記録を8秒縮める快走で流れをつくった。

 現在8人が5千メートルを14分台で走りきる状態まで上げてきた。7区間の席を狙うチーム内争いもある中で、宮里は「誰がどこを走っても結果を出せる総合力がついてきた」と胸を張る。宮里ら5人は昨年全国大会で県記録を更新したメンバー。県勢では23年ぶりに30位台に入った。

 今年はさらに地域の期待も大きく35の横断幕がコースに掲げられ、沿道には生徒や多くの住民が声援で背を押した。「去年は悔しい思いをした。喜ぶのは今日まで。さらに強いチームをつくっていきたい」。都大路では2時間5分を切って県記録、20位以内を狙う。

(謝花史哲)


復活の女子駅伝部、結実
 

2区の緩やかな上り坂で1位をキープする北山の呉屋優梨愛=5日、今帰仁村内(ジャン松元撮影)

 トップで1区から2区にたすきをつないだ女子の北山が、そのまま後続を引き離し念願の優勝を手にした。

 3年の関口七夏海、呉屋優梨愛、嶋袋碧海の3人にとっては、1年生のときに入部して以来、初めて駅伝部の部員だけで出場を果たしての結実。「うれしいしかない」と声をそろえ、喜びを分かち合った。

 エース区間の1区を務めた関口は、疲労骨折の影響で練習を再開したのは2週間前。不安はあったが「たすきさえつなげば、みんながやってくれる」と突っ走る。残り約1キロ。下り坂の勢いを借りてトップに立ち、後を託した。

 2区の呉屋は「1位で来てくれた。安心してスタートできた」と伸び伸びと走行。計画通りに後半ペースを上げて差を広げる。1年2人も奮闘しアンカーの嶋袋がゴールを駆け抜けた。昨年は最終盤まで競り合い敗れた。ゴール直後、倒れ込んだ嶋袋は当時のことを思い出し涙があふれた。

 主将の呉屋を中心に地道に活動を続けてきた。1年生が中学生の時に声を掛けメンバーがそろった。これまで大会出場は他部からの応援を頼んでいた。

 女子駅伝部復活のレースを終えた関口は「1年から全国を目指してきた。最後の年でかなった」と頬を緩ませた。都大路に向け「県代表として責任感を持ってベストを尽くしたい」と夢の舞台へ挑む。

 (謝花史哲)


エースの力見せつける 北山・上原
 

トップを走る北山男子。区間新の走りで3区の上原琉翔が4区森山摩周(右)にたすきを渡す=5日、今帰仁村総合運動公園

 「きっつ」「やったー」。3区を走った北山の上原琉翔は区間記録を1分弱も縮める激走で、エースの力を見せつけた。

 前日までの体調不良で1区から走る区間を変更。不安が残る中だったが「入りで思わず突っ込んでしまった」。もう止まれないとばかりに、そのまま駆け抜けた。

 「体調を崩すまでは調子は上がっていた。不安な状態でもこれだけ走れたのはうれしい」と成長を確認できた様子。1区を引き受けた嘉数が区間新を出したこには「やってくれた」と自分事のように喜んだ。

 それでも嘉数は「1区は上原」ときっぱり。中学からの旧友で互いに力を認め合う。上原はチームの柱として都大路では体調を万全に1区を走る覚悟だ。