軽石漂着で離島の船便、欠航・変更相次ぐ「一晩で港を覆い尽くしてしまうなんて」


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 沖縄県内各地に軽石が漂着している問題で、6日も沖縄本島と周辺離島を結ぶ海の便には影響が出た。渡嘉敷村、久米島町でも漂着が確認され、関係者らが撤去作業に当たった。旅行者の移動や物資輸送を維持するため、定期航路の目的地を変更する緊急対応も取られた。修学旅行から戻ってきた伊平屋村の中学生は本島で延泊を余儀なくされていたが、6日に無事島に戻った。

軽石で埋まる渡嘉敷港の高速船専用浮き桟橋付近=5日、午前8時50分ごろ(米田英明通信員撮影)

 那覇市の泊港と渡嘉敷村を結ぶ村営フェリーは、渡嘉敷港に大量の軽石が滞留しているため欠航した。高速船も午前中の1往復のみの運航となった。

 渡嘉敷港では10月21日ごろから軽石の漂着が確認され、11月5日には港内に大量に流れ込んで滞留した。同日早朝には業者や村職員らが港に集まり、軽石の撤去作業に追われた。

 今帰仁村の運天港と伊是名村、伊平屋村を結ぶ村営フェリーは6日、運天港に軽石が漂着しているため、伊是名便は全便欠航、伊平屋便は本部港発着に変更した。本部港と水納島を結ぶ水納海運のフェリーは軽石と強風の影響で欠航した。

 一方、泊港と粟国村を結ぶ村営フェリーと久米島町、渡名喜村を結ぶ久米商船のフェリーは海上のしけで欠航したほか、座間味村の村営定期船も海上のしけで高速船は午前のみ運航し、フェリーは折り返し運航となった。

軽石を撤去する関係者ら=6日、久米島町の儀間漁港(盛長容子通信員撮影)

 久米島町では6日早朝、大量の軽石が島の南側の漁港や港湾施設などに漂着しているのが確認された。儀間漁港では、住民も参加して船揚げ場にびっしりと打ち上げられた軽石を集めたり、海面からすくい上げるなどの撤去作業が重機と手作業で進められた。

 儀間漁民組合の赤嶺秀徳組合長は「昨日までは少量だった軽石が、一晩で港を覆い尽くしてしまうなんて夢にも思わなかった。1~2週間は漁に出られないかもしれない」と心配した。

 大田治雄町長は「大きな影響が出る前に撤去作業を行いたい」と関係者に協力を要請した。