「パリの人々を笑顔に」12歳の柳生さんが描いた「大聖堂」 パリ消防署へ寄贈


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ジスラン・ムートン在那覇名誉領事(左から2人目)に「光り輝く大聖堂」を手渡す柳生千裕さん(中央)=6日、那覇市のジュンク堂書店那覇店

 首里城の再建を願った作品が2021年版の沖縄手帳に掲載された柳生千裕さん(12)=兵庫県=が6日、フランス・パリのノートルダム大聖堂を描いた作品を在那覇フランス名誉領事のジスラン・ムートン氏に贈呈した。作品はフランス総領事館を通して、パリ消防局に届けられる予定だ。

 作品名は「光り輝く大聖堂」。人々に希望を与える聖堂を表現した。大聖堂の火災を経験したパリ消防局が、那覇市消防局に首里城復興を願う手紙を送った。このエピソードを聞いた柳生さんが「パリの人々を笑顔にしたい」と思いを込めて描いた。

 柳生さんの個展が開催されているジュンク堂書店那覇店で行われた贈呈式で柳生さんは「今日はたくさんの人に絵を見てもらえてうれしい。僕の作品が海を越えてパリに行くことは今でも信じられない。これからも楽しい絵を描いてたくさんの人を笑顔にしたい」と話した。

 作品を受け取ったムートン在那覇名誉領事は「贈呈式を実現できたこと、パリに作品が展示できることがうれしい」と感謝した。

 城間幹子那覇市長や那覇市消防局の島袋弘樹局長も参加した。城間市長は「私たちは首里城の焼失で心を痛めていたが、パリの消防署や世界の首里城を愛する人の励ましにより、ここまで来た。千裕さんの絵がパリ市民、那覇市民の心の懸け橋になり、明るい未来につながると思っている」とあいさつした。

 柳生さんの個展はジュンク堂書店那覇店2階で実施されている。当初の期日を1週間延長し、17日まで。