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旅行業のジャンボツアーズ(那覇市)は、今月1日に創業40周年を迎えた。国内の個人旅行やチャーター便を活用した海外旅行パッケージの販売に加え、ECサイトでの県産品の販売、日本国内におけるルーマニアやモルドバ産ワインの普及など、幅広く事業を展開している。谷村勝己(しょうき)社長(66)に、これまでの歩みや今後の展望を聞いた。
―創業のきっかけは。
「大阪出身だが、元々魚や海が大好きだった。沖縄の海を見てみたいと大学卒業後に座間味島を訪れたのが全ての始まり。その魅力にとりつかれ、座間味島の民宿で下働きしながら旅行の手配業務をしたり、島民の頼まれごとを受けたりと、ボランティアを通して旅行業の基礎を独自に学び、人脈を広げていった。1981年11月1日、26歳の誕生日に、知人宅の軒下に小さなかやぶき屋根の事務所を構え、ジャンボツアーズを立ち上げた」
―ゼロからのスタート。
「旅行社で働いた経験もなく、何もかもが手探りだった。初めは旅行業者にさんざんばかにされた。悔しい経験が事業拡大の原動力となっている。また、業界の常識という固定概念がないからこそ、柔軟な発想で挑戦が続けられると思う」
―常に新しい旅の形を提案している。
「旅行業にとらわれずワクワクするもの、皆に喜んでもらえるものを仕掛けたい。例えばチャーター便を利用した海外旅行商品は、ジャンボツアーズが得意とするものの一つだ。いわゆる有名観光地を巡るツアーだけでなく、消費者に『こんな面白い地域があるんだ』『こんなツアー内容は初めて』と喜んでもらえる商品を提案したい。県民の視野を広げ、好奇心をくすぐる商品は何か。常に社内でも競争させ、魅力的な商品づくりを心掛けている」
―世界各地の特産品の輸入販売や、県産品販売にも力を入れている。
「輸入商品の販売と旅行業は、密接に関わっている。40年にわたり世界各地を自分の足で回り、文化や歴史を見て、聞いて、学んだ自負がある。現地を知り尽くしたからこそ、インターネットでは知り得ない、本当に良いものを皆さんに紹介できる」
―今後の展望は。
「2022年にルーマニアの首都ブカレストと、ブルガリアの首都ソフィアに現地法人を立ち上げる。欧州から日本への観光客を誘致する拠点とするほか、アンテナショップとしての役割を持たせ、沖縄や日本の特産品を発信していく。またECサイトを活用し、欧州の良質なワインや食品の国内販売を強化するなどインポートビジネスも今まで以上に力を入れる」
「19年度の売上総額は118億円だったが、今期は新型コロナ禍で旅行業への影響が大きく落ち込んだ。ただ、徐々に回復の兆しは見えているので、前向きに捉えている。物販やインポートビジネスも着実に定着させ、25年には社全体で300億円以上を目指す」
(聞き手・当銘千絵)