興南、快勝で初戦突破 1年生の平山がしなやかに完封 高校野球秋季九州大会


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 高校野球の秋季九州大会(第149回九州地区大会)が6日、鹿児島市の平和リース球場(鹿児島県立鴨池野球場)などを主会場に開幕した。第1日は県代表の興南(沖縄1位)が日章学園(宮崎2位)と1回戦で対戦し5―0で勝利を飾った。先発した1年生・平山航多が被安打5、8奪三振で完封し、ゲームをつくった。攻撃では、主砲の盛島稜大が先制適時打に加えソロ本塁打も放つ強打で、順調に得点を重ねた。2回戦は9日午前10時から、大分舞鶴(大分2位)と大島(鹿児島1位)の勝者と戦う。大会第2日の7日は前原(沖縄2位)が午前10時から、明豊(大分1位)と対戦する。


平山、監督も舌巻く成長ぶり
 

被安打5、8奪三振で完封した興南の平山航多=6日、鹿児島市鴨池公園野球場(大城直也撮影)

 しなやかな腕の振りで投げる切れのある変化球と勝負所で見せる直球で、打者の目を惑わせた。来春の選抜出場を占う大事な初戦を任されたのは、1年生左腕の平山航多だった。

 「任されたからには最後まで投げきる」と、全力投球を貫いた。切れ味鋭いスライダーに緩いカーブ、力強い直球を織り交ぜ次々と打者を打ち取り、被安打5の8奪三振。我喜屋優監督は「本当に1年生かなと思うほど」と、平山の成長に舌を巻く。

 試合が進むにつれ雨が激しくなり、終盤にはマウンドがぬかるみ足元や手先を気にする場面も。だが、冷静に「いつもより後ろに重心を残し足の付き方を変えた」。フォームに細かな微調整を加え、長打を許さなかった。

 最終九回は制球が乱れ2者連続の出塁を許したが、駆け寄った捕手の盛島稜大に「思いきり(腕を)振ってこい」と背中を押され、気を引き締めた。後続を見逃し三振、二ゴロで併殺に仕留め完封勝利を収めた。

 オリックスの宮城大弥とは、同じ小、中学校の出身で「お手本にしている」。憧れの存在の宮城が成し遂げられなかった九州の頂点を目指し、「次の試合でも今日の課題を修正して投げたい」と力を込める。偉大な先輩を超える投球で、一歩ずつ勝利を重ねていく。

 (上江洲真梨子)


4番盛島が大会1号
 

日章学園―興南 6回、左越えソロ本塁打を放つ興南の盛島稜大

 低く鈍い音を残し、打球は左翼席に吸い込まれた。4番の盛島稜大捕手が今大会第1号のソロ本塁打を放ち、8強入りをたぐり寄せた。六回の先頭で出た盛島は「直球を狙っていった」と3球目で来たそれを見逃さなかった。「しっかり振り抜けた」と手応えも十分、力強くダイヤモンドを1周した。

 守りでもチームを支えた。事前の対戦相手分析の際に「走ってくるチームだったので、いつでも投げられるよう準備はしていた」。常に盗塁を警戒しけん制を怠らなかった。二つの盗塁を阻止し好機をつぶした。

 先発した1年の平山航多をしっかりリード。「(得点が入れば)平山も楽に投げられる」と、先輩、主砲としてさまざまな重責を力に変え、攻守でチームを盛り立てた。