1992年の首里城復元時の資料展示へ 彫刻家の故今英男さんの下絵や木型


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今英男さんの自宅で見つかった首里城の彫刻の下絵=3月、金沢市

 1992年の首里城(那覇市)復元に携わった彫刻家、今英男(いまひでお)さん(1937~2014年)の金沢市の自宅で見つかった復元事業の資料が、県立博物館・美術館で来年1~3月に開かれる企画展で展示されることが6日までに、関係者への取材で分かった。

 首里城は2019年の火災で正殿などが焼失。政府は26年までに正殿を再建する方針で、資料展示による機運醸成が期待される。

首里城の復元に携わった彫刻家の今英男さん=1992年ごろ、那覇市(遺族提供)

 今さんは92年の復元で専門家の下絵を参考に竜などの正殿の彫刻を担当。19年の火災後、遺族が自宅を整理して数十点の下絵や木型、図面といった資料を発見していた。

 玉座の背後を飾った竜の下絵に「この部分がきゅうくつ」と書き込まれるなど、作業時の注意点や修正点が記されており、今後の再建に役立つ貴重な資料とされる。

 遺族は資料を同館に寄付。企画展では19年の火災で焼け残った柱や瓦も展示する。同館の担当者は「今後の再建に役立つ資料を多くの人に見てもらいたい」と話した。

今英男さんの自宅で見つかった首里城の彫刻の木型

(共同通信)