FC琉球、2カ月ぶりホーム勝ち星 風間兄弟が2ゴール 新監督の期待に応える


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琉球―金沢 後半、弟の風間宏矢の先制弾に続き、決勝弾を放つ兄の宏希=7日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(高辻浩之撮影)

 サッカー明治安田J2の第38節の7日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでツエーゲン金沢と対戦し、2―1で勝利した。ホーム戦で約2カ月ぶりの勝ち星。有観客でサポーターを入れたホーム戦では5月15日の14節の栃木戦以来、約半年ぶりの勝利となった。

 17勝13敗8分けで勝ち点59、順位は8位。

 前半は風間宏矢が先制点を奪ったが、PKを与え1―1の同点で折り返した。後半は風間宏希のシュートで逆転に成功した。次戦は13日、同スタジアムでジェフユナイテッド千葉と対戦する。

 風間兄弟がともに得点し、チームを勝利へと導いた。前半21分に弟・宏矢が左からのクロスに反応し、どろ臭くゴール前に飛び込み押し込んだ。9月11日の京都戦以来となる、久々のチーム先制点に会場の熱気は一気に高まった。

 兄・宏希の得点は1―1で折り返した後半9分だった。富所悠が左サイドから右の宏矢へロングパス。相手DFを引き付けてためをつくりつつ、中央から駆け上がってきた宏希へラストパスを送った。どんぴしゃりのタイミングでゴール右に蹴り込んだ宏希は「ボールをもらった瞬間にコースが見えていた」と鮮やかな決勝点だった。J通算300試合出場を達成し、自らの得点で花を添えた。

 喜名哲裕監督は宏矢に「点が取りたくてうずうずしていた。もっと仕掛けてもっとシュートも打っていい」とさらなる期待を掛ける。宏希には「失点につながるプレーもあったが、責任感が強く自分で得点を取り返した。チームの中心としてよくやってくれた」と評価した。

 次もホーム戦。勝ち点がきっ抗する千葉を迎える。宏希は「プロとして常に勝ち点を狙いにいく」と誇りと自覚を胸に勝利を誓った。
 (大城三太)


(2)タピスタ(琉球2勝)

琉球 17勝8分け13敗(59)
2―1(1―1,1―0)
金沢 9勝10分け19敗(37)

▽得点者 【琉】 風間矢(4)風間希(2)【金】 丹羽(PK)(9)
▽観客 1934人

 【評】前半から小気味よくパスを回し、何度もペナルティーエリア内で得点チャンスをつくった。ただ、選手同士が譲り合い、貪欲なシュートが少なかった。久々の先制点で勢い付いたが自陣でボールを奪われるミスからPKを与え失点。後半に逆転し、守り抜いて勝利した。

◆前半からボールと連動

 喜名哲裕監督(琉球)の話 前半からボールと連動しながら、クロスに入る人数もしっかりいて、ゴールが生まれた。飲水タイム後に緩くなった時間帯があった。サイドで起点をつくったが、下げてつくり直すというのを繰り返してしまった。苦しい時間帯は体を張って守ってくれた。

◆ビッグチャンスあった

 柳下正明監督(金沢)の話 90分間通して悪かった訳ではなく、ビッグチャンスもあった。守備のマークがいい距離でできている場合は、奪い切れていた。マークに関しては個人、チーム全体、それぞれで修正していかないといけない時間帯があった。