誹謗中傷のステマ!? モバイルプリンスの知っとくto得トーク[234]


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

モバイルプリンス

 

特定の政治家のデマを拡散し、誹謗(ひぼう)中傷していたTwitterアカウントがありました。

先月、誹謗中傷された政治家が発信者情報開示請求【※1】を行い、そのアカウントの正体を探ったところ、とある企業のパソコンから行われていたことが発覚しました。

つまり、会社がお金を受け取り、仕事として政治家を誹謗中傷していた可能性が出てきたのです。

 

※1 発信者情報開示請求 … 匿名のSNSアカウントに対しては名誉毀損の裁判などを起こすことができません。そのため「発信者情報開示請求」を裁判所で行い、訴えが認められるとインターネット会社に対して書き込んだアカウントの名前や住所などを教えるよう求めることができるようになります。逆にいうと、匿名だからと言って誹謗中傷を行っていると、発信者情報開示請求で自分の個人情報が知られて、訴えられる可能性があるということです。

 

モバイルプリンス

 

デマで誹謗中傷をしているだけでも大問題。さらにそのアカウントがお金をもらっていることを隠して活動していたのであれば、ステルスマーケティング【※2】になり、とてつもない大問題です。

ステルスマーケティング、通称「ステマ」はリアルな口コミが大事にされるネットの世界では、重大なルール違反として、厳しく非難される行為です。

ステマを行ったインフルエンサーが炎上することがたびたび発生しています。

 

※2 ステルスマーケティング … 本来、企業などからお金をもらって宣伝を行う場合、「宣伝」「PR」であることを明記する必要があります。しかし、お金をもらっていることを隠し、発信するとステルスマーケティングになります。現在ステマは違法ではありませんが、ステマが横行することで「何が広告で何が本心か」が見分けることができなくなります。結果的に、私たちの世の中に人を疑う気持ちだけがどんどんと広がるのです。

 

モバイルプリンス

 

こうした行為がOKとされると、お金を持っている人がステマアカウントをたくさん作り、特定の政治家の評判を落とし、選挙結果を操作できるようになります。

それはゲームでいう「チート(不正)行為」であり、チートが野放しにされるゲームは非常につまらないように、社会全体がどんどん腐敗していきます。

情報を慎重に受け止め、ステマアカウントに引っかからないように注意しながら「ダメ、ステマ」の気持ちで厳しくチェックすることも意識してください。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/