宮古島市民「裏切り」「仕方ない」 陸自弾薬搬入・平良港使用許可


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弾薬搬入に掛かる平良港使用を許可した座喜味一幸市長(右)に抗議するミサイル基地いらない宮古島住民連絡会の仲里成繁代表(左手前)ら=8日午後5時、宮古島市役所

 陸上自衛隊保良訓練場(沖縄県宮古島市城辺)への弾薬搬入に関連して、同市の座喜味一幸市長は8日、平良港の使用許可を発表した。座喜味市長は「苦渋の決断。許可やむなしだ」と強調したが、搬入に反対する市民らは「住民に説明もないまま。市民への裏切りだ」と反発した。一方で「法律や行政手続きで考えたら仕方ないこと」と理解を示す声もあった。 

 座喜味市長が使用許可を報道陣に発表した2時間後の午後5時すぎ。搬入に反対するミサイル基地いらない宮古島住民連絡会の、仲里成繁代表の声が市長室に響いた。「選挙で市民の命と暮らしを守ると約束したのに許可した。市民への裏切りだ。国は住民への説明も満足にしてない」と市長に迫った。

 座喜味市長は自衛隊容認の立場だと強調した上で「国の姿勢が十分とは考えていない。安全担保や住民説明会について繰り返し求めている」と述べた。市条例や港湾法を引き合いに「行政上、事務手続きはやらないといけない。断る理由がない。苦渋の決断だ」と説明した。

 仲里代表は「ミサイルが来ると市民の命を危険にさらす。それが(不許可の)理由になるはずだ。判断する前に市民の意見を聞くべきだった」と怒りをあらわにした。

 一方、報道で市長の使用許可を知った男性会社員(48)=市平良=は「関係法令に照らして(申請に)問題ないのなら、仕方がないことだ」と理解を示した。「すでに自衛隊施設があるのに、これから反対して覆るものでもない」と淡々と話した。