やんばるの森がアートギャラリーに! VRで「琉球の紅型展」


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やんばるの滝の近くにバーチャルの紅型作品(紹介サイトから)

 やんばるの森の中に紅型作品がバーチャル画像で飾られ、あたかも現地で芸術鑑賞をしているような楽しさが味わえる「沖縄VRアートギャラリー」が注目を集めている。

 このプロジェクトに取り組んでいるのはインディペンデントキュレーターの砂川洋子さん。砂川さんは新型コロナウイルスが世界的にまん延する中、サイトを立ち上げ、県内外、さらに世界中の人をやんばるの癒やしの空間に導いている。

砂川洋子さん

 この企画は本年度の「沖縄文化芸術を支える環境形成推進事業」(支援・沖縄県、沖縄県文化振興会)として採用された。やんばるの川や滝を望む3キロほどの道を実際に歩いてすべて画像に収め、その際、作品を展示する額縁セットも設置。「琉球の紅型展」と題して7人の作家(金城昌太郎、大城徳男、阿部遼、金城宏次、千葉聖美、宮城友紀、根路銘まり)の個性的な作品約70点をバーチャルで載せた。

 パソコンやタブレットなどで「沖縄VRアートギャラリー」を検索すると、オンラインでやんばるの森の中にいる感覚で、多彩な紅型作品が楽しめる。コロナ禍が続く中、現地を訪れることができない人たちにとって楽しめる演出で、沖縄の観光振興にも寄与する内容だ。映像は来年3月末まで公開される。

 ツイッターなどでは「森の中にアートを飾る発想がメチャクチャ新鮮で面白いですね!出だしから、アマテラスとは琉球王国の信仰と関係してるのか興味が湧きます」「自然の中で、アートが楽しめる臨場感がいいです」など評価の声が届いている。

散策しながら紅型を楽しむ雰囲気

 砂川さんは「箱(建物)の中ではなく、自然を利用したアートで、真っ白なキャンバスからどんな作品が飛び出してくるか、楽しめると思う。世界中に紅型ファンを広げていきたい」と話した。