小選挙区比例代表並立制の衆院選では、政党の公認がなければ当選しづらい。政党が女性を擁立しないことが問題だ。政党が消極的なのは「男性でなければ勝てない」と思ってしまうためだ。
現在の選挙制度では、地域社会や業界団体の票をまとめることが当選の条件となっている。そうした地域や団体の「顔役」は、ほとんど男性で、会合に小まめに出席するなど交流しやすい男性が有利となり、女性が不利となる。
また、短期決戦のため、どぶ板選挙が有効な手段となる。「どれだけあいさつしたか」という勝負になると、男性でも健康で強い人だけが候補となりやすい。
そうした選挙で何度も勝利を重ねた男性議員が権力を持つと、後継者に女性を選ばない可能性が高い。自分たちの利権構造を維持してくれる人を選びやすい。
困難を抱え、本当に政治を必要とする人たちが政治に関わりにくい構造だ。選挙が政策論争中心となれば、候補者の条件も変わってくる。女性候補が増え、男性候補の質も変わる。