強豪牛20頭が激突!秋の全島闘牛の見どころは? 石川ドームで11月14日


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 【うるま】第115回秋の全島闘牛大会(主催・沖縄県闘牛組合連合会、共催・琉球新報社)は14日午後1時から、うるま市石川多目的ドームで開催される。全島闘牛大会は春と秋の年2回開かれる沖縄闘牛界最大級のイベントだ。(平川康宏通信員)

春の全島闘牛大会の取組=2021年5月9日、うるま市の石川多目的ドーム

 取組は封切戦に当たるシーの十番から沖縄全島一決定戦となるシーの一番まで総勢10組20頭の強豪牛が激突する。各出場牛は、県内各闘牛組合から選抜された精鋭牛、人気花形牛、ベテラン牛の中から特にえりすぐりの優秀牛のみが出場できるスペシャルマッチだ。

 大会の見どころは、軽量級全島一決定戦(琉球新報杯)、中量級全島一決定戦(うるま市長杯)、沖縄最強牛を決める重量級全島一決定戦(沖縄県知事杯)と、それぞれの頂点をとなる決定戦だけに闘牛ファンの注目度も大きい。


●無料シャトルバス運行

 会場周辺の駐車台数に限りがあるため、シャトルバス(乗車無料)を午前10時から午後5時まで、うるま市役所石川庁舎駐車場から会場まで運行します。


<シーの一番(重量級全島一決定戦 県知事杯)>
闘勢琥珀×大獣王 速攻牛に超大型牛が挑む

 闘勢琥珀は、長くて鋭くとがった角を武器に掛け技から一気にスピードと馬力のある腹取り攻撃を繰り出す沖縄全島一だ。今年5月に行われた第114回春の全島大会のシーの一番戦の全島一決定戦で、強豪牛のイーグル王を破り沖縄全島一牛の頂点に到達した。デビュー以来わずか3戦での全島一牛の偉業達成の快挙だ。これからの快進撃にも期待が膨らむ。

 戦績は白龍パンダ、ウシジマ、イーグル王に勝利。戦歴は3連勝無敗。

 系統的には沖縄闘牛界の中量級部門で大活躍した名牛・梨夢神(リムジン)の直系だ。この系統では、現在、新力Babyが躍進中。うるま市闘牛候補牛審査会においても優秀牛に選ばれている。毛並みが赤こげ茶色と独特の色彩を放っていることからその特徴を生かして琥珀(こはく)と名付けられいる。

 挑戦牛の大獣王は、湾曲して鋭くとがった角を武器に強烈な割り技からの腹取り攻撃を繰り出す沖縄闘牛界最大級の超大型だ。活躍が際立ったのは、今年1月の新春南部大闘牛大会での全勝工業勝進龍戦だ。鋭くとがった角を使っての強烈な割り技で全勝工業勝進龍を圧倒したのが印象的だ。唯一の黒星は、上地大宝戦だ。上地大宝の長くて鋭くとがった角での割り技に苦杯をなめた。

 戦績は、将龍成、マンモス一華剛、神風ガン太、全勝工業勝進龍、白鷹山に勝利。上地大宝に敗北。戦歴は5勝1敗。

 闘牛界屈指の巨体を誇る大獣王が、馬力のあるスピード攻撃を信条とする闘勢琥珀の攻撃を食い止めて持久戦に持ち込めるかどうかが明暗を分けそうだ。


<シーの二番(中量級全島一決定戦・うるま市長杯)>
刃誡皇×金太郎 新鋭とベテラン対戦

 刃誡皇は、長くて鋭くとがった角を使っての割り技で、相手の顔面を破壊することからその特徴を取ってその名前が付けられている4連勝無敗の有望牛だ。中量級決定戦に抜てきされたのは、去る5月のゴールデンウイーク与勝闘牛大会の横綱戦での対戦評価だ。北部闘牛組合の雄として君臨していた雷神鸞丸かもをわずか2分余で圧倒した勝利が目を引く。

 戦績は戦闘ムサシ、成伸、具志川花形、雷神鸞丸かもに勝利。負け無しの4連勝。

 全島一決定戦への4度目の挑戦となる金太郎は、長くて湾曲した鋭い角を武器に強烈な割り技から一気に腹取り速攻を繰り出す戦歴豊富な超ベテラン牛だ。

 直近での対戦は、2020年11月第113回秋の全島大会だ。対戦牛の伊集花形をわずか2分余で撃沈しての勝利。以来約1年ぶりの登場となる。過去には闘将ハヤテ、古堅モータース☆黄龍、全勝工業王冠と沖縄闘牛界で中量級絶対王者として活躍した強豪牛と全島一王者を狙って競った経験のある超ベテラン牛だ。4度目のタイトル挑戦で悲願達成なるか。戦績は13勝4敗。

 刃誡皇と金太郎で競う中量級全島一牛決定戦は、新鋭牛と超ベテラン牛の激突だけに目の離せない展開になりそうだ。


<シーの三番(軽量級全島一決定戦・琉球新報杯)>
石山聖空宝志みおり×メイキラ陸王 両牛、スピード持ち味

 石山聖空宝志みおりは、軽快なフットワークを使っての掛け技からの腹取り攻撃を得意とする沖縄軽量級全島一牛だ。圧巻だったのは、去る5月に行われた第114回春の全島闘牛大会で、軽量級全島一牛ファイティング大吉に大逆転勝した試合だ。ファイティング大吉による再三の腹取り攻撃で敗走するかに思われた。しかし、闘志は失われず反転しての大逆襲で勝利し、観衆を唖然(あぜん)とさせた試合が印象深い。過去の戦歴は琉仁戦闘竜、赤獣王、真希龍、三代目武捷龍、天心絆、雷神逞真王、ファイティング大吉に勝利。唯一の黒星は黒猿のみ。これまでの対戦で特に活躍が目立ったのは、元軽量級沖縄全島一牛の雷神逞真王戦だ。雷神逞真王の鋭くとがった角での割り技に苦しみながらも我慢しての逆転勝利が際立っている。戦歴7勝1敗。

 挑戦牛のメイキラ陸王は、長くて鋭くとがった角を使っての掛け技からの腹取り速攻と、強烈な割り技を放つ6連勝無敗の超荒技牛だ。特筆されるのは、ファイティング大吉が48分にもおよぶ激闘の末に制した闘(マチー大城)龍を、挑戦牛のメイキラ陸王がわずか6分余で制したことが抜てきされた要因のようだ。戦績は、魁闘勇士アコー、東山若大将、大進彩風、大湾タッチュー、琉仁シロヒゲ、闘(マチー大城)龍に勝利しての6連勝無敗。

 スピード攻撃のメイキラ陸王が、果たして懐の深い石山聖空宝志みおりの牙城を簡単に崩すことができるかどうか。


●健康チェックとマスクの着用を

 新型コロナウイルス感染症対策のため、来場者全員に健康チェックリストの持参とマスクの着用をお願いします。