IT×福祉でコロナ禍でも就労へ 慣れた場所でのリモートワークで定着支援


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パソコンを使って業務に取り組む利用者ら=浦添市のサンクスラボ浦添オフィス(提供)

 県内外で就労継続支援A型事業所を展開し、障がいや難病のある人の活躍を支援するサンクスラボ(那覇市)は11月1日、12拠点目となる事業所を山口県下関市に開所した。企業側の課題と働く側のニーズをカバーする仕組みとしてサテライトラボ(通称サテラボ)のサービスを提供。県外企業に一般就労したA型事業所の元利用者がサテライトオフィスとして活用可能で、通い慣れた環境で働くことができる。サンクスラボのスタッフが企業との仲介役として支援に入るなど、利用者の就労定着に向け取り組んでいる。

 A型事業所利用者は、主にパソコンを活用したデータ入力業務のほか、営業メールの送信業務などを担う。県内では那覇や浦添、北谷、名護にオフィスを構える。

 サテラボでは、A型事業所での就労を経て、その後企業へ一般就労した人々が働く。同社によると、通所後に企業に就職しサテラボを活用する、リモートワーク型の就職者は今年10月時点で累計143人となった。「IT×福祉」をテーマに、コロナ禍でも多くの利用者の就労を目指す。

 2年前から事業所に通い、ITスキルを身に付けた利用者の男性(36)は「フォローしてもらいながら、たくさん成長できた場所だ。分からないことがあれば気軽に相談できるフラットな環境でもある」と充実した様子で語った。サテラボの取り組みについて、サンクスラボ管理者の男性(50)は「慣れた環境で仕事ができるため、障がいのある人にとって就労のハードルも下がる。長期で働けるようサポートする体制も整っている」と話した。

 各オフィスでは利用者を随時募集している。問い合わせはメールkyujin@thankslab.biz ホームページはQRコードから。https://thankslab-typea.com/