高校サッカー西原が県優勝 「イメージ通り」光った決定力


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 サッカーの第100回全国高校選手権県大会決勝が13日、南風原町の黄金森公園陸上競技場で行われ、西原が宜野湾を2ー0で破り、31年ぶり4度目の優勝を手にした。西原は前半18分に重田統哉、37分に比嘉亮介のシュートで得点を奪い、リードして折り返した。後半は宜野湾が猛攻を仕掛けたが、得点を奪えなかった。西原は全国選手権(12月28日~2022年1月10日、東京都ほか)に県代表として出場する。


光ったシュート精度 昨年準優勝 悔しさ糧に
 

西原―宜野湾 後半、攻守でチームに貢献し、前半に先制点を上げた西原の重田統哉(左)=13日、南風原町の黄金森公園陸上競技場(大城直也撮影)

 決定力の差が勝敗を分けた。西原はシュート精度の高さが光り、主導権を握った前半で2得点を奪った。前半立ち上がりから激しいプレスをかけ、宜野湾が浮き足立つようなプレーを引き出した。

 DF玉城俊輔主将は「宜野湾は間をパスで突いてくるので、間を締めながらのハイプレスが効いた」と言う。対策が奏功し、その効果は中盤でも表れた。パスコースを限定させてボールを奪い得点につなげた。

 前半19分、DF重田統哉(とうや)がパスカットし、速いモーションでシュートを放った。「パスの選択肢はなかった。完璧にイメージ通り」と鮮やかな先制点だった。38分にはFW比嘉亮介が、ゴール左へ2点目をたたき込んだ。

 玉城真哉監督は「昨年準優勝の悔しい結果に選手たちが心折れずに頑張ってくれた。勝ちたい気持ちが力になった」とたたえた。監督として那覇西を4度、南風原を1度頂点へと導き、6度目の制覇。「残り1カ月半で選手たちがどれだけ成長できるかが大事。全国のチームも県大会決勝と本大会で全然違うチームに仕上げてくる。100回の記念大会で爪痕を残したい」と躍進を目指す。

 玉城主将は全国へ向け「一戦一戦、西原らしく攻め、ベスト4を目指したい」と目標を掲げた。

 (大城三太)


後半猛攻も届かず 宜野湾、持ち味発揮
 

西原―宜野湾 前半、ボールを回す宜野湾の平良隼

 後半、持ち味のパスサッカーで猛攻を仕掛けた宜野湾だが、頂点に届かなかった。DF仲間翼主将は「前半は決勝という舞台の雰囲気にのまれてしまっていた」と目を真っ赤にした。

 後半に動きが鈍くなった西原に対し、MF平良隼は守備中心にプレーしつつ起点となってパスを供給。ほとんどミスのない正確なキックで、終始落ち着いたプレーを見せた。2年のFW黒木晴也は右サイド裏への抜け出しから再三チャンスをつくったが、ゴールには至らなかった。敗戦を受け「これからチームを引っ張っていく存在にならなければならない。3年生の悔しさもチーム全体で共有し、日頃の練習に生かしたい」と決意を込める。

 平田敦志監督は「最後は2失点が重くのしかかった。自分たちの弱さが出て相手の良さが上回った。戦術の方向性やスタンスは変えず、これからもぶれずに貫いていく」と前を向いた。

 (大城三太)