国民医療費44兆円で過去最高 沖縄は1人当たり33万円


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 厚生労働省は14日までに、2019年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)が、前年度比9946億円増(2.3%増)の44兆3895億円だったと発表した。国民1人当たりでは8600円増(2.5%増)の35万1800円。いずれも過去最高を更新した。都道府県別で沖縄県の国民医療費は4854億円、一人当たりでは33万4100円だった。

 近年は、高齢化の進行や、医療技術の高度化で費用の伸びが続いている。20年以降は新型コロナウイルスが流行し、感染リスクを恐れた受診控えで医療費が減っており20年度総額にはその影響が反映される見込み。

 国民医療費が国民所得に占める割合は11.06%。年代別では、65歳以上の高齢者が27兆629億円で全体の61.0%を占めた。

 医療費を賄う財源では、国民や企業が負担する保険料が全体の49.4%に当たる21兆9426億円。国と地方を合わせた公費は16兆9807億円(38.3%)で、患者が窓口で支払う自己負担は5兆1837億円(11.7%)だった。

 診療種類別では、医科診療が31兆9583億円で全体の72.0%。薬局調剤は7兆8411億円、歯科は3兆150億円だった。

 国民医療費は、保険診療の対象となる病気やけがの治療にかかった費用の推計。保険外診療や健康診断、予防接種などは含まない。
(共同通信)