宮古島にアメフト「シーホークス」誕生 沖縄2チーム目「奇跡的な可能性」


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チーム発足後、初の対外試合で果敢に攻め込む宮古島シーホークスの選手(11)ら=14日、浦添市のANAフィールド浦添

 県内2番目となるアメリカンフットボールの社会人クラブチームとして、今年2月に発足した宮古島Seahawks(シーホークス)が14日、ANAフィールド浦添で琉球ガーディアン・ライオンズと初の対外試合を行った。結果は0―34で敗れ、準備不足は否めなかったが、高見沢祐生主将(38、埼玉県出身)は「いい所もあった。もっとチームを強くしていきたい」と意欲はさらに高まった様子だ。アメフトは県内で認知度はまだまだだが、新チーム発足で今後さらに盛り上がっていきそうだ。

 宮古島シーホークスは、国内トップリーグを6年経験した高見沢主将が中心となって結成に動いた。「本当に軽い気持ち」だったが、次第に「もう一度アメフトをやりたい」という思いが強くなっていったという。

 数人に声を掛けたら「宮古島は横のつながりが強い」と実感するように、経験者も含めて集まってくれた。現在、女性1人を含めて18~44歳の24人が選手としてメンバー入り。週3日の練習でチーム力を鍛えている。県内で活動するアメフトチームは、琉球大の学生でつくるチームだけだったが、2020年に社会人チームの琉球ガーディアン・ライオンズが誕生し、それに続けての発足となった。

宮古島シーホークスの選手ら

 琉球の奥田知史副主将は「県内で試合を重ねられる」とレベルアップへの相乗効果を期待。「沖縄でのアメフト普及に、2チームで貢献できたらと思う」と新たなチーム誕生を歓迎した。

 11人のフィールドプレーヤーで戦うアメフト。選手の交代は自由で、攻守でメンバーを入れ替えたり、戦術によって特別な選手を起用したりするのも魅力の一つ。徐々にゴールに迫る場面でのぶつかり合いやロングパスで一気にタッチダウンを狙うダイナミックなプレーには目を奪われる。

 トップリーグを経験し、宮古島で子ども食堂を手掛けるなど、縁あって監督を引き受けた松澤寛之さんは「宮古島の人口規模でこれだけの人数が集まった。奇跡的な可能性を感じる。スポーツ熱の高い県民性を見ても、アメフトは盛り上がっていくと思う。みんなが楽しめるスポーツ」と各地でチームが立ち上がり普及していくことを期待する。チームについては「まずは1勝。勝つことのうれしさをみんなで味わいたい」とチームの成長を誓った。
 (謝花史哲)