沖縄をレンコン産地に!コンテナ使い有機栽培に挑戦する男性「誰でも栽培できるように」


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収穫したばかりのレンコンを手に笑顔を見せる穐葉武人さん(右端)や片岡俊也さん(右から2人目)ら=14日、今帰仁村の片岡農園

 17日は「れんこんの日」。沖縄をレンコンの新たな栽培地にしようと、那覇市銘苅で自然食品店「わが家のハルラボ商店」を営む穐葉(あきば)武人さんら有志が、大型プラスチック容器(コンテナ)を使った「ハルラボレンコン」の有機栽培に挑戦している。レンコンは通常畑や水田で育てるが、収穫までに労力がかかり、県内で生産している農家はごくわずかしかいない。穐葉さんは「小さいスペースかつ低労力で生産できる仕組みを確立できれば、県産レンコンの可能性が広がる」と意気込む。

 栄養価が高く、さまざまな料理に活用できるレンコン。穐葉さんは、沖縄と風土も似ている台湾では盛んに生産されていることを知り、数年前から苗を調達し栽培を研究していた。ことし2月、農家ら20人に声を掛け、農業に精通する森義貴さんの指導で、300リットル容量のコンテナ50個を使い試験栽培を始めた。

大型プラスチック容器で育てたレンコンを収穫する片岡俊也さん(左)

 レンコンにはどのような環境が適しているのか。試験栽培では北は国頭村から南は南城市まで、コンテナごとに使用する土の地域を変えた。追肥の種類や投入時期、水温管理に日照時間など、それぞれの参加者の力を借り試行錯誤で研究を重ねた。

 14日は、名護市内で育てる森さんと、今帰仁村で農園を営む片岡俊也さんが初の収穫作業を行った。

 一つのコンテナに2株の苗を植え付けた片岡さんの収穫量は約4キロだった。エンサイを植えて雑草を抑制したり、オタマジャクシを入れたりと、自然の水田に近い環境を再現することに注力した。目標の20キロには届かなかったが「多くの学びがあった。来年は植え付けの時期や栽培期間も調整しながら、生産性を上げたい」と力強く語った。

 収穫したレンコンは買い取り、ハルラボ商店で販売する。穐葉さんは「環境さえ整えば誰でも栽培できるように、今はレシピを作っている段階。レンコンが県内で一つの産業になるくらいのものにしたい」と前を見据えた。

 問い合わせはわが家のハルラボ商店(電話)098(943)9575。

(当銘千絵)