【糸満】糸満市議選が14日投開票され、改選前の少数与党から与党系が4議席を増やし、議席の過半数を占める結果となった。与野党が逆転し、2020年7月に始動した當銘真栄市政に一定の評価が示された格好だ。當銘市長は「市政に対する信任が得られた。与党が増え、市政の発展にも一緒に取り組んでいける」と結果を受け止めた。
「議会は拮抗している。○○議員が必要だ」―。投開票前日の13日、雨の降る中、當銘市長は現職与党の応援に入り、有権者に呼び掛けた。
今回の市議選では、定数21に現職17人と新人14人の計31人が立候補した。13年に定数が削減されて以降、立候補者数は最多を記録した。中でも市米須と与座地区からはそれぞれ4人が出馬し、激しい選挙戦を繰り広げた。
就任以降、議会の安定運営を図るため「与党派を増やさないといけない」と、當銘市長は考えていた。
選挙戦が近づくと、PTAや自治会などでかつて當銘市長と共に活動してきた後輩たちが「一緒に市を変えたい」と、次々と出馬を表明。与党系立候補者17人のうち、新人は9人に上り、過半数を占めた。
7日に告示されると、當銘市長は連日公務後に与党系候補者の応援演説に入り、夜8時までマイクを握った。投開票前日は与党系ほぼ全員の応援に入り、市内を奔走した。
激戦の末、与党系が4議席伸ばし、11議席を勝ち取った。女性の2議席も守り抜いた形だ。しかし、野党・中立系は10人に勢力を縮小したものの、議長を与党から選出すれば与野党は同数となる。
當銘市長の政治スタンスは「保守寄りの中立」。与党系には革新派も3議席含まれるため、革新派と折り合いがつかない場面が出てくる可能性もある。安定した議会運営を図るには、中立系との連携も鍵を握ることになりそうだ。 (比嘉璃子)