環境副大臣が軽石被害の恩納村を視察 「十二分に予算を付ける」


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大量の軽石が漂着しているホテルのビーチを視察し長浜善巳恩納村長(左)から説明を受ける務台俊介環境副大臣=17日午後、恩納村

 小笠原諸島の海底火山噴火で発生したとみられる軽石が県内各地に漂着している問題で、務台俊介環境副大臣が17日に来県し、撤去した軽石を仮置きするヤードや軽石が漂着した海岸などを恩納村内で視察した。玉城デニー知事や長浜善巳恩納村長とも面談した務台氏は「十二分な予算を付ける」と語り、財政支援など国の対応方針を強調した。

 長浜村長は務台氏との面談で「一番大きいのはホテルの被害だ。コロナ禍が落ち着き観光客が戻ってきたところに、軽石が来て修学旅行や観光客のキャンセルが出ている。『沖縄に来ても泳げない、ダイビングできない』との風評被害がある」と訴えた。

 ホテル従業員や漁協、村職員らが取り組んでいる撤去作業に完了の見通しが立たない状況や、養殖モズクの生育、サンゴへの影響の懸念も伝えた。

 務台氏は恩納村での現場視察前に、県庁で玉城知事と面談した。県側は、海岸軽石除去の予算確保に向けた調整に感謝した。玉城知事は漁業や離島航路への影響のほか「(コロナ後の)観光需要も回復させようという中で、軽石の問題は海岸の景観に大きな影響がある」と訴えた。

 務台氏は視察終了後、報道陣に「まずは軽石を除去し(被害の)原因を取り除くことが最優先だ。除去のシステムを工夫せねばならない。漂着が明白な近海の軽石も(対応の)手法を検討したい」と語った。