南風原の戦、オンラインで伝える 徳島の中学生に平和学習 文化センター


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徳島の中学生にオンラインで南風原の沖縄戦について説明する南風原文化センターの平良次子館長(手前)と保久盛陽さん=10月21日、南風原文化センター

 【南風原】南風原文化センター(平良次子館長)は10月21日、徳島県にある牟岐(むぎ)町立牟岐中学校の2年生12人や同校出身の大学生とビデオ会議システム「Zoom」でつなぎ、平和学習を実施した。

 同校では当初、修学旅行で県内を訪れ、沖縄戦を学ぶ予定だったが、コロナ禍のため、沖縄への修学旅行を断念。オンラインでの平和学習に切り替えた。学習では平良館長と学芸員の保久盛陽さん(31)が、沖縄戦の概要や南風原町在住の沖縄戦体験者の話、沖縄陸軍病院南風原壕など南風原の戦争遺跡について生徒たちに紹介した。

 平良館長は悲惨な沖縄戦体験について分かりやすく伝えたほか、生き残った体験者が、戦後「戦争トラウマ(心的外傷)」として心の傷を負いながら生きていることを伝えた。

 保久盛さんは戦争遺跡について解説。町内の道路建設作業中に沖縄戦で犠牲になった人の遺骨が発見されたことなどを写真で見せた。

 保久盛さんは「戦争遺跡は、当時の様子を知ることができ、平和学習にも活用される。工事で壊されることもあるが、発掘調査をしながら記録として残すことが重要」と話した。

 このほか、町内や県内各地で不発弾が発見されている現状も伝え「私たちの未来の世代にまで不発弾を残している」と伝えた。