ディアマンテス30周年、情熱的に「一歩一歩」 音市場ライブ「沖縄ラテン」で魅了


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ディアマンテスで30年ともに歩んできたアルベルト城間(右)とトム仲宗根(左)=7日、沖縄市のミュージックタウン音市場(喜瀬守昭撮影)

 ラテンロックバンド「ディアマンテス」の結成30周年記念ライブ「paso a paso(パソアパソ)」が7日、沖縄市のミュージックタウン音市場であった。9月に発売したアルバム「パソアパソ」の収録曲や名曲を織り交ぜ計18曲を演奏。アルベルト城間(ボーカル)とトム仲宗根(ベース)は“一歩一歩”歩み続けてきた約30年のバンドの足跡を振り返り、感謝の思いを届けた。

 ペルー県系3世のアルベルト城間を中心に、1991年9月にバンドを結成。ラテンのリズムに、沖縄やペルーなどの音楽の要素を掛け合わせるなど独自の音楽スタイル「オキナワ・ラティーナ」を確立し、沖縄音楽界をリードしてきた。今年3月に宜野湾海浜公園屋外劇場でキックオフライブを開催し、今年2回目のライブとなった。

 演奏は當間ツグアツ(ドラム)、玉城チコ(パーカッション)、白川ミナ(ピアノ)、川上肇(トランペット)、エイキ(チューバ)のサポートメンバーが出演。多彩なゲストを迎え、情熱的なパフォーマンスで観客を沸かせた。

 ゲストのKimを迎えて、南米ペルーの縦笛ケーナの情緒豊かな音色に乗せて「コンドルは飛んでいく~花祭り」で幕開け。「シィ!」の掛け声や、トランペットの音色が勢いよく響かせる「GANBATEANDO(ガンバッテヤンド)」では観客も一緒に踊った。

 ライブの途中、トム仲宗根のサプライズ企画もあり、91年8月に撮影された映像をスクリーンに上映した。メンバーだったターボも映り、トム仲宗根は「(2人にとって)ターボは雲の上のような存在だった」。アルベルト城間は「彼の存在は今でも大きい」としのんだ。

華麗な舞でライブに花を添えるモニカ(右)と真志(右から2人目)

 アルベルト城間との出会った頃を振り返ったトム仲宗根は、思い出の品であるループタイを新調してプレゼントし、アルベルト城間に「これからも頑張っていこうよ」と感謝の思いを伝えた。「さっきから本当に泣きそう。これからもみんな仲良くやっていきたい」と語ったアルベルト城間は、アルバムの表題曲である「パソアパソ」をゆったりと穏やかに歌った。

 アルバム収録曲の「TAKAKU TAKAKU(タカクタカク)」では、アルベルト城間の娘モニカと夫の真志がペルーの伝統舞踊「マリネラ」をリズミカルに踊った。元メンバーのパティらダンサーも共演し周年を華やかに祝った。

 終盤になるにつれ、観客も最高潮に盛り上がり特別な時間を共有した。アルベルト城間は「来年は世界のウチナーンチュ大会もある。この島の素晴らしいつながりをこれからも大事にしたい」と語り、アンコールに「片手に三線を」などを演奏した。
 (田中芳)