【写真】那覇軍港にオスプレイ 3機着陸 沖縄県と政府に事前通達せず


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主翼を折りたたみ駐機する普天間飛行場所属のМV22オスプレイ=19日午後3時ごろ、米軍那覇港湾施設

 米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ3機が19日、米軍那覇港湾施設(那覇軍港)に着陸した。那覇軍港にオスプレイが着陸するのが確認されたのは初めて。これまでの日米両政府の説明で、オスプレイの那覇軍港の使用は想定されておらず、米軍は今回の着陸について県や沖縄防衛局に事前に通達していなかった。玉城デニー知事、城間幹子那覇市長は同日、着陸に抗議するコメントを発表。県は日米の関係機関に直接、抗議する方向で調整している。

 在沖米海兵隊によると、着陸した3機は機体のメンテナンスのために、那覇軍港から船に積み込み、米本国へ送る予定だとしている。一方、米海兵隊はオスプレイの沖縄配備前の2012年にまとめた「環境レビュー」で、オスプレイによる使用が検討される着陸帯として69カ所を挙げたが、一覧に那覇軍港は含まれていない。同じ米軍の港湾施設でもホワイトビーチとは異なり、那覇軍港内に常設着陸帯はないとみられる。

 県はオスプレイの県内配備に反対し、撤回を求める姿勢を崩していない。普天間飛行場所属のオスプレイは18日、市街地に囲まれた飛行場で物資のつり下げ訓練を実施したばかりだ。

 在沖米海兵隊は本紙の取材に「予定していた着陸だ。頻繁にはしないが、標準的な手順だ」と強調した。軍港に着陸することの正当性に関し「今回のために着陸区域が認定され、着陸は適切に調整された」と答えた。日本政府が了解しているのかについて、返答はなかった。沖縄防衛局は「米側に照会したところ、米側から回答を得た」と説明した。県基地対策課は職員2人を派遣して現場を確認した。