【識者談話】子どもの貧困対策 祖父母などに育てられている子の調査を 本村真・琉球大教授


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 県子どもの貧困対策計画は、基本理念に引き続き「誰一人取り残すことのない優しい社会」を打ち出しているが、二つの格差の是正が大事だと考えている。中南部と北部、離島のように地域間の支援体制の格差と、社会福祉協議会などによる緊急小口資金の返済に関してだ。

 緊急小口資金は、新型コロナウイルスの影響で貸し付けがスピード重視になった。それで助かった子育て世代もいるが、返済時に収入が回復して返せる人とそうでない人がいる。県は貸し付けの実態を把握し対応する必要がある。

 ヤングケアラーに関しては、祖父母の家で暮らす子ども(養育者世帯)の実態把握にも努めるべきだ。これらの子どもの中には祖父母の世話などヤングケアラーの要素を持っている子もいる。ヤングケアラーと養育者世帯の調査を同時にすることで課題を明らかにできると考える。

 (児童福祉)