全日本重量挙げ、知念ひめのが3連覇  世界レベルへ慢心なし


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女子81キロ級 クリーン&ジャークを成功させる知念ひめの=23日、新潟県のニュー・グリンピア津南体育館(日本ウエイトリフティング協会提供)

 重量挙げの第81回全日本選手権・第35回全日本女子選手権最終日は23日、新潟県のニュー・グリーンピア津南体育館で行われた。女子81キロ級の知念ひめの(糸満中―大阪産業大付高―平成国際大出、自衛隊体育学校)がトータル220キロ(スナッチ98キロ、ジャーク122キロ)で3連覇した。スナッチとトータルで大会新記録を出した。男子109キロ級は屋良一郎(南部工高―沖縄国際大出、県協会)がトータル342キロ(スナッチ156キロ、ジャーク186キロ)で2位。同階級の比嘉翔矢(沖縄工高―法政大出、警視庁)は5位だった。同109キロ超級の知念光亮(豊見城高―沖縄国際大出、いちご)も2位で、トータル396キロ(スナッチ180キロ、ジャーク216キロ)だった。同階級の棚原幹善(沖縄工高―東京国際大出、アイビックス北陸)は7位。女子87キロ級の仲宗根夢来(本部高3年)は4位に入った。

 「苦手のスナッチを伸ばせた。フォームが崩れることなく、きちんと自分の感覚として身に付いていると感じた」と81キロ級3連覇を達成した知念ひめの(自衛隊体育学校)。昨年よりも5キロ伸ばして98キロを挙げ大会新を記録した。

 一方、ジャークは「最低限の数字しか出せていない」と不満を残す結果に。低く設定したはずの1回目の122キロを失敗。2回目で同じ重さを成功させたが、3回目の124キロは失敗、記録を伸ばすことはできなかった。

 体育学校のコーチから技術指導を受け、スタッフらと試行錯誤しながら、この1年自己ベスト更新を念頭に練習を重ねてきた。大会3連覇は一つの通過点として考え、手放しで喜ぶことはない。大きな目標とするのはパリ五輪でのメダル獲得。「パリに限らず、狙える限りその先も狙っていく」と世界レベルを見据える。

 次の日本選手権は本来の来年5月に開催が予定されている。大会に向け「反省を生かし、自分の力を出し切れるように練習を重ねていく」と、ストイックに自身を律した。