平和ガイド継続危機に 観光友の会、コロナで修学旅行減 寄付金呼び掛ける


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寄付金の支援を呼び掛ける(右から)県観光ボランティアガイド友の会の高嶺典子事務局長、比嘉淳子氏、池間一武会長、沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長=24日、那覇市の県庁

 修学旅行生を中心に平和学習のガイドを担う県観光ボランティアガイド友の会(池間一武会長)の運営が危機に直面している。新型コロナウイルス感染拡大の影響で修学旅行が減ったことで、収入の柱の協力金が大幅に減少した。24日、県庁で会見を開き、会の運営継続のために寄付金支援を呼び掛けた。

 同会の収入源は、ガイドや戦争体験者講話の利用料金、会員約40人からの年会費で、コロナ前は年間350万円の収入があった。しかし2021年度上半期(4~9月)の修学旅行受け入れ校は1校のみで、収入は約10万円にとどまった。

 コロナ禍で新たに戦争体験者のリモート講話を始めたほか、会員からの寄付を募るなどして、来年3月までの活動の財源は捻出した。だが22年度は288校、5万7440人から予約を受けているが、現状では運営費のめどが立っていないという。

 寄付の目標額は300万円で、ガイドの人件費や通信費、リース料、水道光熱費、消耗品などの運営費に充てる。

 同会は、1997年に県や沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)のガイド養成講座修了生を中心に結成された任意団体で、延べ400万人の修学旅行生を受け入れてきた。2019年度は沖縄全体の修学旅行の4割にあたる1070校、16万2011人を受け入れた。

 池間会長は「今後訪れる修学旅行生をガイドするために、会の自助努力はもちろんだが、皆さまからの支援をお願いしたい」と話した。

 OCVBの下地芳郎会長は「沖縄の自然、歴史、文化を伝えるにはガイドの存在が重要だ。おきなわ彩発見キャンペーンの活用などで、県民自ら沖縄の平和を学ぶ機会にもしてほしい」と話した。

 振込先は琉球銀行豊見城支店(店番号322)、口座番号731246。または沖縄海邦銀行豊見城支店(店番号030)、口座番号349914。口座名義は両方とも「オキナワケンカンコウボランティアガイドトモノカイ」。受付期間は22年2月28日まで。問い合わせは同会事務局(電話)098(856)6441。