コーヒー焙煎の煙が心配→ネットで支援、開店できた! コザに「本格派」元UCC野村さん


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クラウドファンディングで無事に脱臭装置の購入費用が集まり、コーヒーショップのオープンにこぎ着けた野村雄太さん=10日、沖縄市中央の「アンバー・ホーリック」

 【沖縄】沖縄市一番街にこのほど、コーヒーショップ「アンバー・ホリック」が開店した。オーナーの野村雄太さん(35)は、沖縄市の中心市街地に人々が集まる本格的なコーヒー店を開店したいと考えたが、焙煎(ばいせん)時に周辺に立ちこめる煙や臭いが課題として立ちはだかった。そのため約150万円する脱臭機の購入のためクラウドファンディングで支援を呼び掛けたところ206万円が集まり、開店にこぎ着けた。

 野村さんはUCCグループの工場で焙煎(ばいせん)の責任者を務めたこともある。コーヒーの評価に携わる国際資格「Qグレーダー」や、全日本コーヒー商工組合連合会のコーヒーインストラクター1級などの資格を持っている。

 2020年に移り住んだ沖縄市で元散髪屋の空き店舗を活用してコーヒー店を開店しようとしたが、大家は焙煎の煙や臭いによるトラブルを心配していた。「店を開くなら周辺のコミュニティーから歓迎されなければいけない」と野村さんは頭をひねり、クラウドファンドサイト「キャンプファイヤー」で脱臭機の購入費用の支援を呼び掛けた。多くの人が集まり、情報交換や社交の場になる「コーヒーハウス」を目指す熱意を訴えたところ、目標額の100万円を大きく超えた。

 9月に開店した店では購入した脱臭機を焙煎機につなぎ、煙や臭いをほとんど出さずに焙煎できている。カウンターやテーブルでは客が自慢のコーヒーと会話を楽しんでいた。野村さんは「街の人たちに、コーヒーを飲んでモチベーションを上げて毎日を過ごしてもらいたい」と話した。
 (島袋良太)