名護市長、岸田首相と初会談 振興支援を要請、辺野古不承認には触れず


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渡具知武豊名護市長

 【東京】渡具知武豊名護市長は25日、首相官邸で岸田文雄首相と会談した。岸田氏の首相就任後初めての会談となった。米軍普天間飛行場の移設工事が進められる、名護市辺野古の地域振興への支援などを求めた。

 渡具知市長によると、会談では辺野古新基地建設に関わる設計変更の申請を不承認とした県の判断や、宜野湾市で起きた普天間飛行場所属のオスプレイの水筒落下事故については話題に上がらなかったという。来年の名護市長選について「次に向けて取り組んでいるという話をした」と明かした。

 渡具知市長は岸田氏のほか、松野博一官房長官とも会談。会談時間はそれぞれ10分程度だった。

 渡具知市長は「(名護市辺野古の米軍)キャンプ・シュワブに関連する基地負担の軽減や名護市の今後のまちづくりについて要請した」と説明。岸田氏と松野氏に、(1)米軍基地に由来する諸問題の解決と名護市の地域振興(2)名護東道路の本部町方面への延伸、4車線整備と沖縄自動車道との連結(3)名護湾沿岸のまちづくり支援―の3項目を求める要請書を手渡した。

 岸田氏は「しっかり受け止める」と応じた。渡具知市長が出馬を表明している来年1月の名護市長選については話したが、県知事選の話題はなかったという。