陸自石垣宿舎に41億円 21年度防衛補正予算 南西強化の一環


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 【東京】防衛省が26日発表した2021年度補正予算は、南西地域の島々の防衛力強化の一環で、陸自の石垣駐屯地(仮称)の宿舎新設に41億円を計上した。宿舎は駐屯地外に新設する。隊員やその家族が居住する。防衛省は「自衛隊配備の空白地帯となっている島嶼部への部隊配備に伴うもの」としている。総戸数150戸を計画し、今回はその一部の建設費にして隊員らの配備を順次進めていくという。

 沖縄関係の米軍再編関連経費は、865億円が計上された。このうち、普天間飛行場の代替施設として名護市辺野古で進める新基地建設の費用801億円を盛り込んだ。県が国の設計変更申請を「不承認」とした大浦湾などは含まれず、辺野古側の工事に充てる。防衛省は「工事を加速させ、工期を少しでも短縮する。普天間飛行場の固定化にならないようにする」としている。

 過去の補正予算の推移では最大の規模で、在沖米軍基地に関しての費用が大半を占めた。嘉手納基地より南の土地返還に関し36億円を計上した。返還される米軍施設・区域の移設先の整備費となる。キャンプ・ハンセンの設計・調査、トリイ通信施設の文化財調査などに充てる。

 辺野古新基地建設と嘉手納基地より南の土地返還に伴う予算が合わせて837億円となった。

 また、普天間飛行場の機能移転に伴い、宮崎県の新田原基地と福岡県の築城基地に緊急時使用のための施設整備を行う。誘導路や駐機場、滑走路などを改修する計画で26億円を充てた。

 発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)を含有する泡消火剤については自衛隊全体で保有量などを調査しており、その処分費用が補正予算で初めて計上され、19億円が充てられている。