沖縄・球陽中入試で採点ミス 昨年度1人不合格 県教委謝罪


社会
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県立中学校の入試で採点ミスが判明し謝罪する金城弘昌教育長(中央)ら=26日午後5時、県庁

 2020年12月に実施された県立球陽中学校の独自検査問題(入学試験)で採点ミスがあり、74人の得点に影響が出て、本来合格となるべき生徒1人が不合格になっていたことが26日、分かった。県教育委員会が同日、県庁で記者会見を開き経緯を説明し、謝罪した。本年度の入試は12月4日。金城弘昌教育長は「二度とこのようなことが起こらないよう再発防止策の徹底に取り組む」と説明したが、入試直前の採点ミス発覚に、受験を控える保護者や子どもたちからは不安の声が上がった。

 球陽中の入試には、県教委が問題と解答を作る適性検査と、学校が作る独自検査(算数のみ)がある。今回ミスがあったのは独自検査で、学校教諭が作った正答表に1カ所誤りがあり、それを基に採点が行われた。

 11月4日、問題と正答表を県教育委員会に開示請求した人が正答表の誤りに気付いて学校に指摘した。指摘を受けて採点をやり直し、受験生1人の合否への影響が分かった。県立中学入試での独自検査の採点ミスは初めて。

 球陽中では例年、複数の教職員が複数回、問題や解答の確認をしており、今回も同様の確認作業をしたが、外部から指摘があるまで正答表の誤りに気付けなかった。

 県教委は具体的な再発防止策について「今後は作問者ではない者に正答表を作らせる。本年度の検査については県教委も加わってチェックする」と説明した。県教委によると、これまで独自検査の問題作りや正答表作りは学校側に一任していて、県教委は内容を確認していない。

 球陽中の平良淳校長は県教委を通して「再発防止に努めるとともに信頼回復に向けて誠心誠意取り組む」とコメントを発表した。県教委は会見で「個人特定につながる」として学校名と校長名は公表しなかった。学校は25日に緊急の保護者会を開き、保護者に経緯を説明した。

 当該生徒は追加合格となり、球陽中への転入については、本人の意向を確認中。

 球陽中の定員は80人。20年12月実施の入試では、志願者数が381人(男子165人、女子216人)で志願倍率は4・76倍だった。