航空燃料税の軽減163億円 沖縄県振興審で新振計向け観光税制説明


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 2022年度以降の新たな沖縄振興計画について話し合う県振興審議会の第6回文化観光スポーツ部会が24日、那覇市の県市町村自治会館で開かれた。県は航空路線の運賃低減につながる航空機燃料税の軽減措置など、延長を求めている観光関連税制の内容などを説明した。

 航空機への燃料積み込み量に応じて課税する航空機燃料税は、沖縄と県外空港を結ぶ路線や県内路線では、全国に比べ軽減されている。自民党沖縄振興調査会の税制改正要望では「所要の措置」との表現にとどめられており、今後議論が本格化していくとみられる。

 沖縄の対象区域の航空便では、全国特例の2分の1に当たる1キロリットル当たり4500円となっている。過去5年の実績をみると、適用額は年々増えており、18年度は158億4800円、19年度は163億9400万円だった。県は、軽減措置の効果として、羽田空港と札幌や福岡間の路線では1キロメートル当たりの運賃が40円を超えるが、沖縄路線は27・9円と運賃が低く抑えられているとして、観光振興に必要な税制という認識を示した。

 観光関連施設の投資にかかる税金を優遇する観光地形成促進地域制度は、期間の2年延長のほか、対象施設にシェアオフィスや結婚式場を追加するなど拡大を要望する。適用実績は18年が13件で2千万円、19年度は20件で15億3200万円となっている。

 外国客や国内線の利用者が免税価格で商品を購入できる沖縄型特定免税店制度については、対象店舗の免税品のオンライン購入を可能とすることや、免税措置の2年延長を要望する方針。制度の対象となっている沖縄ディーエフエスの直近3年間の免除額実績は、18年が2億8千万円、19年が2億8200万円、20年度は1億5100万円となっている。

 県によると、対象免税店来訪者の消費額を国内観光客と比較すると約8700円高い。

 部会長の下地芳郎沖縄観光コンベンションビューロー会長は「税制とは別に、沖縄は国家戦略特区の利活用がまだできていない。現制度にどういった課題があるのか、洗い出す議論が今後必要だ」と話した。