マルチ商法に気をつけて モバイルプリンスの知っとくto得トーク[237]


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モバイルプリンス

 

「AIが勝手に暗号資産を稼ぐ」などとアピールし、資格がないのにお金を集めていたとして、男女6人が今月8日再逮捕されました。「友だちを紹介すると紹介料がもらえる」とするマルチ商法の形で被害者からお金を集めていました。

マルチ商法に関しては10日にも違法な勧誘【※1】で逮捕者が出たことが明らかになっています。

マルチ商法は「友だちを紹介して会員にするとあなたにもお金が入る、さらにその友だちが別の友だちを紹介して会員になるとさらにお金が入る。これを繰り返すことであなたは大金持ちになります!」という仕組みです。

 

※1 違法な勧誘 … マルチ商法は「特定商取引法」という法律で、勧誘の方法が制限されています。勧誘で呼び出す際には「私は○○というネットワークビジネスを行っていて、あなたを勧誘しようと思います」とはっきり宣言をしなければいけません。しかし多くのマルチ商法の勧誘は、「いい話がある」として呼び出され、さらには「こんなビジネスがある(マルチであることはギリギリまで隠す)」と説明することが当たり前になっているため、合法的な勧誘活動をしている人はほとんどいないと思います(10回以上勧誘されたことのある私の体験談です)。

 

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マルチ商法をめぐるトラブルは昔からありましたが、最近はSNSやマッチングアプリで勧誘が行われています。仲間とパーティー、セレブのような暮らしなどの画像を投稿し勧誘します。

マルチ商法そのものは違法ではありませんが、勧誘方法などが法律で厳しく決まっています。

きちんとした製品を売りたければ、わざわざマルチ商法の仕組みを使う必要はありません。「紹介すればするほどもうかる」という説明をされたら警戒しましょう。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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マルチ商法は「友達をお金に変えるビジネス」と言われます。のめり込んで、自分で商品を買い込む「自爆買い」を行い、豪華な暮らしをしているように見せるため借金をする人もいます。結局は友達もお金も失うのです。

来年4月、成人年齢が18歳に引き下げられ、今後若者向けのマルチ商法の勧誘も増えるかもしれません。ぜひ、マルチ商法の仕組みや、これまでどんなトラブル、逮捕者が出たのか調べてみてください。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/