「飛び安里」紙芝居で羽ばたく 空飛ぶ知恵や努力描き、読み語り


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
紙芝居「飛び安里」の読み語りをする奥西眞澄さん(右)と島袋恒政さん=11月14日、伊江村東江前の公文式伊江教室

 【伊江】公文式伊江教室で11月14日、奥西眞澄さん(79)が制作した紙芝居「飛び安里」の読み語りが行われた。紙芝居は16枚からなり、色画用紙を切りぬき一枚一枚丹精に作成され芸術作品を見ているようである。制作に4カ月かかったという。

 「飛び安里」は、琉球王国時代の18世紀に現在の南風原町津嘉山に住み、「羽ばたき式飛行機」で空を飛んだと伝えられている。人物は諸説あるが、その一人、安里周冨(しゅうふ)の幼少の逸話や空を飛べるようになるまで多くの人々の知恵や努力があったことが描かれている。

 奥西さんは航空自衛隊に16年間勤めその後、民間航空会社で機長を務めるなど41年のパイロット歴がある。12年前に病気で高次機能障害を患い言葉も出ない時期もあった。その頃から絵を描き始め、水彩画で入選するなど活動の幅を広げた。奥西さんは「一人でできる趣味を持ちなさい。何かあった時には強みになる」と語る。

 紙芝居の上演を企画したのは「飛び安里研究会」副会長の島袋恒政さん。島袋さんは「沖縄に飛び安里といわれた素晴らしい人物がいたことを多くの人に知ってもらいたい」と上演会への思いを語った。

 兄弟2人で紙芝居を見に来た伊江中1年の山里虹太さんと西小5年の春陽さんは「飛行機の歴史や研究者のことをたくさん知ることができて良かった」と話した。
 (知念光江通信員)