「40年間ありがとう」山里公民館にお別れ会 地域の拠点、思い出語らう


社会
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参加した元自治会長の仲宗根繁雄さん(左から3人目)、仲宗根友弥自治会長(同4人目)、新公民館建設委員長の新川秀清さん(同5人目)ら=11月21日、沖縄市山里

 【沖縄】地域住民の活動の拠点として親しまれてきた沖縄市山里公民館のお別れ会と新公民館建設の説明会が11月21日、同公民館大ホールで開かれた。公民館は1981年に廃業したホテルを購入し、40年間、住民と共に歴史を刻んできた。お別れ会には約80人の区民が参加し、別れを惜しみつつ思い出話に花を咲かせた。

 説明会で新公民館建設のスケジュールなどを市の担当者らが説明した。お別れ会は日頃、公民館を利用した古典愛好会や若水会、フラダンス、レクリエーションサークル、サクソフォン演奏、青年会エイサーなどが余興を披露した。

 仲宗根友弥自治会長は「子どもや年配の方々が気軽に立ち寄り、元気をもらった。新公民館はさらに親しみの持てる交流の場にしたい」と話した。

 元自治会長の仲宗根繁雄さん(90)は「自治会長に就いたのは二十数年前だが、現在の公民館の改装工事を役員や多くの区民が手伝った。懐かしいね」と名残惜しそうに話した。現公民館の購入を決断した当時の自治会長の山内盛洋さん(85)は「役員や先輩方、役所の助言を受けて購入に踏み切った。区民の寄付がなければできなかった。感謝している。地域住民の交流の場ができた喜びを昨日のように思い出す」と当時を振り返った。

 新公民館建設委員長の新川秀清さん(84)は「当時の集会場はエイサーの道具置き場みたいなもので、区民が集う雰囲気ではなかった。念願の公民館が地域での役割を果たした。思い出が残る公民館が消えることに年月を感じる」とねぎらうように話した。

 上原莉子さん(山内中3年)が公民館の思い出を書いた作文が代読された。小学1年の入学祝いの思い出やエイサーの練習を夢中で見ていた頃を振り返り「たくさんの人と巡り会えた山里公民館が大好きです」とつづった。

 新公民館は現在の場所に建設され、2023年完成予定。
 (山川宗司通信員)