沖縄県内4氏に文化庁長官表彰 初心に戻り決意新た


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 文化庁は1日、文化活動で優れた功績のあった人に贈る2021年度の文化庁長官表彰に、琉球箏曲演奏家の高良時江さん(81)=那覇市、音響デザイナーの富山尚さん(60)=浦添市、染織製作技術者の宮平トシ子さん(74)=久米島町、琉球舞踊家の佐藤太圭子(本名・山内太圭子)さん(77)=那覇市ら県関係者4人を含む74人を選んだと発表した。14日に旧文部省庁舎で表彰式を開く。

 重要無形文化財「組踊」と「琉球舞踊」(共に総合認定)の高良さんは「箏が大好き。芸道を重ねられたのは『沖縄歌舞団』の一員として、世界中で公演経験をさせてくれた宮城美能留先生のおかげ」と振り返った。

 音響デザイナーの富山さんは「長きにわたり縁の下で力を尽くしてきたことを評価していただき大変光栄に思う。これからも文化芸能の発展に尽力したい」と述べた。

 久米島紬を織り始め47年になる宮平さんは「ただただ手を抜かず一生懸命織ってきただけ。若い織り手もたくさんいる。賞を励みにこれからもみんなで力を合わせていいものを作っていきたい」と、さらなる創作活動に向け決意を新たにした。

 重要無形文化財「琉球舞踊」(総合認定)保持者の佐藤さんは「身に余る光栄。改めて初心に戻り、皆さまから叱咤(しった)激励を受けながら、精進したい」と話した。

 県外では歌舞伎俳優の市川海老蔵(本名・堀越宝世)さん(43)や、テレビ番組で「フレンチの鉄人」として活躍した坂井宏行さんらも選ばれた。このほかピアニストの仲道郁代さん(58)や落語家の三笑亭夢太朗(本名・大石雅一)さん(72)らを選出。紛争で危機にさらされているシリアの遺跡の調査や保存に取り組んだ奈良県立橿原考古学研究所技術アドバイザーの西藤清秀さん(68)も表彰する。 (藤村謙吾)