【東京】政府・与党は2日、2022年産サトウキビの生産者交付金を、前年から据え置きの1トン当たり1万6860円とすることを決めた。同日に開かれた自民党の野菜・果樹・畑作物等対策委員会で了承し、農林水産省が決定した。基準糖度帯も変更はない。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う財政悪化やキビ価格の高騰を理由に引き下げを求める声も出ていたが、2年連続で前年の水準を維持した。
自民党の簗和生農林部会長は「販売価格が上昇傾向にあり、財務当局からは例年にない厳しい指摘があった」とした上で、「農家の生産意欲を維持するために粘り強く交渉し、一定の配慮を得られた」と強調した。
台風など自然災害からの生産回復を支援する「さとうきび増産基金(セーフティーネット基金)」の予算は引き続き確保する。政府・与党案には、生産者の働き方改革の実現や生産基盤の整備など、生産性向上に向けた取り組みへの支援も盛り込まれた。
交付金が据え置きでまとまったことを受け、JA沖縄中央会の大城勉会長は「国家財政が厳しい中、生産農家の意欲を喚起するよう配慮してもらった」と評価。増産基金の存続など政府与党に求めていた重点要望が認められたとし、「交付金引き下げにつながる要因もあったが、農家の厳しい実情をよく踏まえてくれた」と声を弾ませた。
(安里洋輔)