ボクシングのOPBF女子東洋太平洋フライ級王座決定戦8回戦は2日、東京都の後楽園ホールで行われ、女子フライ級元王者の池本夢実(琉球ジム)はOPBFフライ級元王者のチャオズ箕輪(ワタナベ)に2回TKO負けに沈み、2度目となる戴冠を逃した。池本は1回から積極的に攻めていった。しかし2回、打ち終わりを狙われて左のパンチを食らいダウン。立ち上がって反撃に出ようとしたが、再び打ち終わりを右フックで合わされ2回目のダウンを喫し敗れた。
何もできなかった。2年10カ月ぶりの試合に気力十分で臨んだ池本夢実だったが、ペースがつかめず次第に焦りから重心が浮き、強烈なパンチを食らい2度のダウンを喫してしまった。「自分の試合ができなかった。本当に悔しい」。ふがいなさに涙がこぼれた。
前に出るファイタータイプ。「圧力をかけていかないと」と、序盤から積極的にパンチを繰り出した。しかし、経験豊富なチャオズに距離を取られ、当たらない。さらにスリップをきっかけに少しずつ焦りだす。
「落ち着け」。頭では分かっていても思うようにいかない。2回に入り距離感を見切られて、チャオズに打ち終わりを狙われた。相手も2年はリングから遠ざかっていた。「ブランクを理由にするのは言い訳。気持ちをコントロールできない弱さがあった。自分の力がまだまだなだけ」と唇をかんだ。
それでも待ちに待った公式戦だった。リングは改めて「特別な所。戻ってこられた」とうれしさがこみ上げた。敗戦には「たくさん応援してくれたのに申し訳ない」と言葉をつなぎながらも「世界に向けてもっと厳しくしないと。ここで終わったらもっと申し訳ない。一から出直したい」と心は折れていない。警察官との二足のわらじで諦めず夢の世界へと突き進む。
(謝花史哲)
▽OPBF女子東洋太平洋フライ級王座決定戦
チャオズ箕輪(ワタナベ) 2回1分16秒TKO 池本夢実(琉球ジム)