交通事故で重傷…ヤンバルクイナが回復 保護官が放鳥「安全運転を意識して」


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交通事故に遭ったが保護されて回復し、元気良く森に帰るヤンバルクイナ=3日、国頭村安田

 【国頭】環境省やんばる自然保護官事務所は3日、沖縄県国頭村安田で保護したヤンバクルクイナ1羽を放鳥した。同個体は5月に交通事故に遭い、瀕死(ひんし)の重傷だったが、関係機関の懸命な治療で回復した。今年のヤンバルクイナの交通事故発生件数は、昨年より22件多い31件(11月30日時点)。上席自然保護官の安藤祐樹さんは「例年より多い。安全運転を意識してほしい」と述べた。

 放鳥した個体は成鳥の雄で、体重は485グラム。5月19日に同村安田の県道70号で車にひかれて全身を強打し、骨盤や右足が骨折するなど重傷だった。同事務所が保護し、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄(うるま市)で集中的に治療し、10月には走れるまでに回復した。

 ヤンバルクイナの交通事故は雨上がりや朝方に多く発生しているという。事故に遭った希少動物を見つけたら、速やかに関係機関に連絡するよう呼び掛けている。連絡先は環境省やんばる自然保護官事務所(電話)0980(50)1025、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄(電話)090(6857)8917。同院は傷病個体のみ対応している。

 (喜屋武研伍、写真も)