「ピクニックみたい」買い物や通院、みんなで楽しく♪ 社協が高齢者の送迎支援


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福祉車両に乗り合い、買い物に出掛ける石嶺ハイツ自治会の高齢者と地域見守り隊員=那覇市首里石嶺町(那覇市社会福祉協議会提供)

 那覇市の石嶺ハイツ自治会は10月27日から、地域の高齢者の買い物や通院を支援する移送支援を実施している。週に1回、高齢者の見守りボランティア「地域見守り隊」が、福祉車両での送迎を支援する。利用は無料。利用者から「みんなとおしゃべりして買い物もできて、ピクニックみたい」と喜びの声が出るなど好評だ。

 高齢者は運転免許証を返納している人も多く、移動手段の確保が地域の課題となっていた。買い物や通院を支援するために始めた取り組みだが、複数の利用者が1台の車に乗り込むことで交流が生まれている。

 利用者には87歳、85歳の高齢者もいて、仲良く買い物を楽しんだという。活動が活発になることで、介護予防にもつながっているようだ。

 事業主体は那覇市社会福祉協議会。「移送支援モデル事業」として、日中空いている福祉車両と運転手を提供している。取り組みを継続するための情報を集めていて、これまでに1回の送迎に掛かる時間は45分程度ということが分かった。

 2カ月ほどモデル事業を実施し、その後は首里地区を中心に、運転ボランティアや車両提供ができる社会福祉法人の取り組みにつなげたい考え。現在は石嶺ハイツ自治会で実施しているが、その他の地域にも広がることを狙っている。

 市社協の担当者は「公共交通機関もうまく活用しながら、誰もが『お互いさま』で支え合う仕組みづくりが必要だ」と、取り組みの広がりを期待した。

 (稲福政俊)