90歳・香川京子さん沖縄ロケ 映画「島守の塔」撮影が再開「若い世代に見てほしい」


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映画「島守の塔」の撮影に臨む香川京子さん(左)=6日、糸満市摩文仁の平和祈念公園

 沖縄戦直前に着任した島田叡(あきら)県知事と、荒井退造県警察部長らの姿を描く映画「島守の塔」(五十嵐匠監督)の県内ロケが6日に再開され、糸満市や南城市で撮影が行われた。糸満市では、摩文仁の平和祈念公園内にある県職員の戦没者が刻銘された島守の塔などでロケが行われ、俳優の香川京子さん(90)演じる沖縄戦当時県職員だった比嘉凛が、塔を訪ねて追悼する場面を撮影した。

 撮影後、取材に応じた香川さんは「オファーをいただいた時は、戦争を知る世代としてぜひ演じたいと思った。若い世代にこの作品を見てほしい」と話した。

 香川さんは1953年公開の映画「ひめゆりの塔」(今井正監督)で学徒の役を演じ、ひめゆり同窓会とも交流を重ねている。5日には、ひめゆりの塔やひめゆり平和祈念資料館を見学。「島守の塔やひめゆりの塔を見た時、胸がいっぱいになった。二度と戦争は起こしてはいけない」と力強く語った。

 県内では12月10日までロケを実施する予定。来年の公開を予定している。(金城実倫)