ウィズコロナ観光どうしたらいい? 藻谷浩介氏「地元調達や単価アップを」 全国商議所大会


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観光の方向性などについて議論する(右から)日本総合研究所の藻谷浩介主席研究員、JTBの山北栄二郎社長、沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長=7日、那覇市泉崎の沖縄ハーバービューホテル

 「全国商工会議所観光振興大会2021inおきなわ那覇」の最終日が7日、那覇市の沖縄ハーバービューホテルで開かれた。大会は日本商工会議所と那覇商工会議所の共催で、オンラインを含めて約700人が参加した。講演やパネルディスカッションを通じ、「ウィズコロナ」を念頭に沖縄や日本の新たな観光の在り方を探った。

 基調講演では、日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏が登壇した。新型コロナウイルス感染症の対策として、政府が新規感染者数を基準に経済活動を抑制しているとし、「人口比に換算しないと意味がない。死亡率や重症化率を基準にすべきだ」と主張した。「ピントのずれた自粛で、経済抑制が極端だ」と述べ、政府の対応を批判した。

 外国人観光客の受け入れ再開については、沖縄の主要市場である台湾や中国は遅れると予測した。「ゼロコロナ政策をとる台湾や中国は、免疫ができていないためすぐに復活は厳しいだろう」と話し、マレーシアやタイなど東南アジアや欧米諸国などから交流が再開するとの見解を示した。

 今後の観光の方向性については、消費単価の高い客を見極め、単価向上に注力すべきだと提言した。また、ホテルで使う食材を県産でそろえるなど地元調達に取り組み、地元にお金が落ちる観光地づくりを目指す必要性を強調した。

 パネルディスカッションでは、藻谷氏と沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長、JTBの山北栄二郎社長が参加し、意見を交わした。
 (中村優希、写真も)