真珠湾攻撃から80年 ハワイで収容…沖縄県人捕虜の苦難たどる 県立図書館で講座


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平和への思いを共有するため「ハワイPW節」などの歌三線が披露された歴史講座=8日、那覇市の県立図書館

 1941年の真珠湾攻撃から80年となる8日、那覇市の県立図書館は、歴史講座「ハワイで収容された沖縄県出身捕虜 その足跡を辿(たど)って」を同館で開催した。日本学術振興会特別研究員の秋山かおりさんが講演し、太平洋戦争でハワイに強制収容された日系人、県系人に関する研究を紹介した。沖縄戦で捕虜となり、ハワイに移送された体験者が当時の体験を語った。収容所を題材にした「ハワイPW節」など歌三線の演奏もあった。

 秋山さんは、真珠湾攻撃直後に日系人や県系人が米側に拘束され、収容所として使われた銀行の金庫や日本人学校に押し込められた状況を説明した。

真珠湾攻撃後や沖縄戦後にハワイで収容された県人について語る秋山かおりさん

 45年の沖縄戦後、ハワイに移送された読谷村の渡口彦信さん(95)、那覇市の古堅実吉さん(92)らも来場した。渡口さんは「真珠湾攻撃の破片を見付けると、気付いた米兵が『ジャップ』とののしってきた」「復員して家族と再会を喜ぶ米兵を見ると、みじめになった」と振り返った。

 演奏会もあり、松田昌次さん(沖縄ハワイ協会副会長)が歌三線、知念久光さんが笛、伊良波百合子さんがはやしを披露し、歌詞に込められた平和への思いを来場者と共有した。後日、動画配信を予定している。
 (島袋貞治、写真も)