イザイホー、斎場御嶽…写真や動画を無料公開 電子化で地域文化継承へ 南城市 11日は活用考える円卓会議


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デジタルアーカイブで公開された斎場御嶽の入り口の記念写真=1960年代(なんじょうデジタルアーカイブ提供)

 【南城】南城市教育委員会文化課では、3月から市所有の写真や映像、住民からの提供写真などを電子化して記録、保存するデジタルアーカイブ(なんじょうデジタルアーカイブ)として、インターネットで公開している。現時点、佐敷、知念、玉城、大里の旧4町村時代の古写真や芸能の動画など約7千点が公開され、無料で閲覧、利用できる。同市の歴史や文化に関する写真や映像をデジタル保存して公開し、無償で利用してもらうことを目的としている。

 なんじょうデジタルアーカイブのサイトには久高島のイザイホーなど、地域の伝統行事や集落の古写真、区の青年祝い、運動会、斎場御嶽で撮影した記念写真などが閲覧できる。

 市は2014年度から民間事業者や地域と連携して、写真の収集とデジタル化を進めた。デジタル化した写真は、公民館などで住民らにスクリーンに映して見せながら、写真にまつわる思い出を共有するイベントなども実施。今年10月8日からは、県内の自治体としては初の事例となる書籍や公文書など、国保有のデータを検索、閲覧、活用できるポータルサイト「ジャパンサーチ」との連携も開始した。

 デジタルアーカイブを担当する文化課職員の新垣瑛士さん(35)は「古写真や映像は市の戦後生活の変化の歴史を知ることができる一級の歴史資料である。地域と連携して保存、共有、継承していきたい」と意気込む。市は21年度中に1万点のデジタルアーカイブを公開予定だ。

 11日には南城市役所1階でデジタルアーカイブの活用についての円卓会議を開く。参加無料。問い合わせはNPO法人まちなか研究所わくわく(電話)098(861)1469。なんじょうデジタルアーカイブのサイトはhttps://nanjo-archive.jp/

 (金城実倫)