首里城正殿、10分の1の構造模型制作へ 沖縄職業能力開発大学校と琉大・琉大大学院の学生ら 


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延焼を免れた「女官居室」の木材を活用して首里城正殿の構造模型を制作する沖縄職業能力開発大学校と琉球大学の学生ら=8日、沖縄市の同大学校
延焼を免れた「女官居室」の木材を活用して首里城正殿の構造模型を制作する沖縄職業能力開発大学校の学生ら

 【沖縄】沖縄職業能力開発大学校住居環境科の学生4人、琉球大と同大学院で建築を学ぶ10人の計14人が、2019年の首里城火災で焼失した正殿の構造模型を制作するプロジェクトを始めている。焼失を免れた首里城裏手の「女官居室」を改修する工事で解体された木材を活用し、正殿の約10分の1サイズの構造模型を作る。県建築士会が企画と助言をし、人材育成にもつなげたい考え。来年10月に開催される世界のウチナーンチュ大会でお披露目する。

 県内に首里城正殿の10分の1の模型はあるが、構造模型は首里城火災で焼失した。学生らは構造模型を制作し、正殿の内部構造に関する伝統工法の資料として残す。

 8日には職能大学校で作業を公開した。この日は木材を模型の柱に加工する前作業をした。初期の機械加工は沖縄職業能力開発大学校の学生が手掛け、琉球大の学生はクラウドファンディングで制作の資金集めやSNSでの発信などを担う。最終の組み立て作業などは全員で行う。

 琉球大大学院で建築を学ぶ伊波慶洋(のりひろ)さん(24)は「思ったよりも柱が多いなど、やってみることで学ぶことも多い。首里城正殿が完成するまでの間、小さなシンボルにもなれば」と話した。沖縄職業能力開発大学校の比嘉琉葵(りゅうき)さん(20)は「模型を作りながら沖縄の伝統工法や木造工法も学びたい」と話した。

 クラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」で「首里城 模型」と検索すれば企画の詳細を見られる。(島袋良太)