辺野古新基地警備業者が無許可建物 金武漁港に4年間 セントラル社、県の指導受け撤去


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セントラル警備保障が無許可でプレハブを設置していた敷地 =10日、金武町の金武港湾金武地区

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡り、埋め立て工事現場で海上警備を担うセントラル警備保障(東京)が県の許可を得ないまま4年間にわたり、金武町の金武湾港金武地区(通称金武漁港)内にプレハブ2棟を設置し、敷地を使用していた。県の指導を受け、9日にプレハブや陸揚げしていた警備艇を撤去した。セントラル社は「県の指導に従って適切に対応する」とした。

 プレハブはセントラル社が事務所や倉庫として使用していたが、9日に重機などで撤去した。撤去後、漁港外の土地に資材や警備艇などを仮置きしている。10日時点では金武漁港から出港していない。準備が整い次第、セントラル社は辺野古沖の警備を再開するとみられる。

 県港湾課によると、セントラル社は3~4年前に金武漁港内に建造物を設置した。県は今年10月上旬ごろに確認し、今月2日に業者を県北部土木事務所に呼び出して口頭・文書で早期撤去を求めた。「速やかに撤去するように」との指導に対し、セントラル社は「撤去に向けた時間がほしい」と回答していた。

 本紙はセントラル社にプレハブの設置目的や、無断使用の期間の港湾使用料を県に納めるか質問したが、同社は「県の指導に従う」とのみ回答した。金武港湾を管理する北部土木事務所は「許可を受けていなかった分の使用料を、さかのぼって請求するかどうかは本庁と協議する」としている。

 発注者の沖縄防衛局は「セントラル警備保障に対し県の指導に従い、速やかに適切な対応を取るように指示した」としている。
 セントラル社は2019年に給与未払いなどの労働基準法違反があるとして那覇労働基準監督署から是正勧告を受けたほか、酒気帯び状態の従業員を乗船させて警備業務に就かせたことが発覚するなどトラブルが相次いでいた。(松堂秀樹まとめ)