米軍、学校上空の飛行常態化 普天間第二小の窓落下4年 合意経路を逸脱


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 【宜野湾】宜野湾市立普天間第二小学校に米軍普天間飛行場所属のヘリから窓が落下した事故から13日で4年を迎える。事故後、日本政府や県、宜野湾市は米軍に対し、普天間所属機が同小学校の上空を飛行しないよう要請した。だが、沖縄防衛局が毎年公開している、普天間飛行場周辺での米軍機の航跡図を基に、琉球新報が周辺の地図を重ね合わせて分析したところ、米軍機による普天間第二小学校上空の飛行が続く実態が浮き彫りになった。

 日米両政府は普天間飛行場周辺で学校や病院などの上空飛行を避ける「場周経路」の設定で合意している。だが場周経路を外れた飛行は常態化している。

 琉球新報が確認したのは防衛局が公開しているもので最新の2019年4月から20年3月までの航跡図。航跡図は月ごとに作成されている。このうち目算で普天間第二小の上空を飛行している可能性が高かった19年5、8、9月の航跡図を周辺の地図に重ね合わせたところ、普天間第二小の上空を何度も飛行している実態が浮かび上がった。

 他の月の航跡図も分析したが、ほとんど全ての月で普天間第二小の上空を米軍機が飛行している可能性が高い航跡だった。明らかに普天間第二小上空を飛行していなかった月は19年12月だけだった。19年7月は1回だけだった。

 防衛局は航空機が発する信号やレーダーの回転周期などを基に飛行位置を推定し、航跡図を作成している。19年度の航跡図のデータに基づく、米軍機による普天間第二小上空の飛行回数について、防衛局は「調査手法に限界があり、大きな誤差が生じる可能性があることから、特定の航跡のみをもって個々の米軍機が小学校上空を飛行したと断定することまでは難しい」と説明している。

 (島袋良太、グラフィック仲本文子)