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決勝で喜友名諒の出番が訪れると、正面2階席に座った師匠の佐久本嗣男氏が左手で合図を送った。招かれるように畳へ歩を進める喜友名。佐久本氏は演武中も、優勝を決めた瞬間も表情を崩さなかったが、10年間日本のトップに君臨し続ける弟子を「彼のひた向きさが功を奏した」と誇らしげに語った。
決勝のアーナンは佐久本氏自身が世界と戦ってきた形。「完璧ではないが、力強さ、細かさもあった」と及第点を付ける。東京五輪から休む間もなく大会で結果を残し続ける喜友名に対し「条件がよろしくない中でよくやっている」と評価した。