辺野古、最大の争点に 渡具知、岸本氏一騎打ち見通し、名護市長選告示まで1ヵ月


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 【名護】2022年1月16日告示、23日投開票の名護市長選は、告示まで16日で1カ月となる。2期目を目指す現職の渡具知武豊氏(60)=自民、公明推薦=と、無所属新人で市議の岸本洋平氏(48)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし推薦=が立候補を表明しており、一騎打ちの構図となる見通しだ。両氏とも政策発表を終えて主張の違いが鮮明になってきており、支持獲得に向けた準備を本格化させている。

 市長選は、米軍普天間飛行場移設に伴う市辺野古への新基地建設問題を最大の争点に、新型コロナウイルスを巡る感染対策や生活支援、空洞化する中心市街地の活性化、子育て・教育、中南部圏との医療格差の解消などが問われる。

 国政との連携を重視する渡具知氏は、米軍再編交付金を活用した保育料・給食費・子ども医療費の無償化継続など行政サービスの拡充を前面に打ち出している。ただ、18年の前回市長選に続き、辺野古移設への是非は明確にしていない。

 新基地建設反対で一致する「オール沖縄」勢力が支える岸本氏は、玉城デニー県政と連携した新基地阻止の姿勢が鮮明だ。再編交付金に頼らない市政運営を掲げ、行財政改革により財源を確保して保育料などの無償化は継続すると主張する。

 来年は夏に参院選、秋に県知事選が予定され、選挙イヤーの先陣を切る名護市長選はその前哨戦と位置付けられる。

 新基地建設を巡り、玉城デニー知事は沖縄防衛局の設計変更申請を不承認とし、防衛局が対抗措置として国土交通相に行政不服審査法に基づく審査を請求した。国と県の対立に打開の道筋が見えない中、市長選の結果は今後の政局の行方に大きな影響を与える。
 (’22名護市長選取材班)