防音工事が完了した世帯に空調費 年間最大1万円 嘉手納第2種区域


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 【嘉手納】嘉手納町は2022年度から、米軍嘉手納基地周辺のうるささ指数(W値)が90以上の「第2種区域」に住む世帯に対して、防音工事に伴い設置された空調機器(エアコン)稼働費を年間最大で1万円を補助する事業を行う。国の防音工事を実施した世帯が対象。特定防衛施設周辺整備調整交付金(9条交付金)を活用する。

 14日の町議会12月定例会最終本会議で、同事業の711万円を含む補正予算案が可決された。本年度は基金として積み立て、2023年3月に支給する予定。

 第2種区域は同町の東区・西浜区の一部世帯が対象。今年8月時点で、711世帯が住む。同町は40年以上前から国に対し、防音工事を完了した全世帯に対し、エアコン稼働費を補助するよう求めていた。今年8月に沖縄防衛局から、第2種区域限定であれば9条交付金を活用できると提案があったという。

 當山宏町長は「一部世帯が限定ではあるが、これまでの取り組みが一つ前進した」と話す。一方で「本来は国の事業として行ってほしい。今後も原因者負担という考え方を持ち続ける」とし、第2種区域以外の世帯も補助の対象となるよう要請していく考を示した。
 (石井恵理菜)